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「熊本級」の地震恐れも 福岡の筑豊地区に2断層帯 旧産炭地、地下には無数の坑道跡

西日本新聞 4/13(木) 11:42配信

 最大震度7を記録した熊本地震から1年。福岡県筑豊地区にも大地震の震源となりうる二つの活断層帯があり、国の調査機関が優先的に調査する「主要活断層帯」に指定されている。もし動けば、マグニチュード(M)7以上の地震が起きる可能性もある。旧産炭地の筑豊の地下には無数の坑道跡があるとされ、専門家は「坑道跡に地震で亀裂が入った場合、被害が拡大する恐れがある」と指摘する。

 昨年4月14日の熊本地震の前震はM6・5、同16日の本震はM7・3だった。

 国の地震調査研究推進本部地震調査委員会が注目している筑豊を通る活断層帯は、西山断層帯と福智山断層帯。

 西山断層帯は、沖ノ島南方の玄界灘から宗像市大島の北岸付近までの「大島沖区間」(約38キロ)と同市大島の北岸から飯塚市西部までの「西山区間」(約43キロ)、桂川町から東峰村および朝倉市まで伸びる「嘉麻峠区間」(約29キロ)で構成され、全長は約110キロ。同委員会は、隣接する区間が同時に活動する可能性は否定できないとし、その際の地震の規模はM7・9~8・2程度としている。

 一方、福智山断層帯は、北九州市若松区頓田付近から田川市夏吉付近にかけて分布する全長約28キロ。同委員会は、この断層帯全体が動いた場合はM7・2程度の地震が起きる可能性があるという。

 断層に加え、筑豊地区の特異な地下構造の影響も懸念される。どこに、どれくらいの坑道跡があり、今どうなっているのか-。炭鉱閉山からほぼ半世紀がすぎ、現状把握が極めて困難なのだ。飯塚市の担当者は「ぼた山は土砂災害の恐れがあるため警戒しているが、坑道跡の状況は分からない」といい、宮若市も「把握していない」という。

 炭鉱の採掘図などを管理する九州経済産業局鉱業課によると、50メートルより深い採掘跡は安定しているが、50メートル未満の所は今後陥没する恐れもあるという。

 福岡市の警固断層調査検討委員会の元委員長で、西南学院大人間科学部の磯望教授(自然地理学)は「これまでほとんど注目されてこなかったが、坑道跡で地震により落盤などが生じた場合には、地表が陥没したり、湛水(たんすい)したりすることになるだろう」と警告する。

 西山断層帯での平均活動間隔は分かっておらず、最新活動時期は、大島沖区間が約2万年前より後、西山区間が約1万3千~2千年前の間であったと推定、嘉麻峠区間は不明。福智山断層帯での最新の活動時期は、約2万8千~1万3千年前の間であったと推定され、平均活動間隔は約9400~3万2千年であった可能性があるという。磯教授は「活動間隔に不明な点が多く、さらに調査が必要だが、これを機に地域の特性に応じた防災対策を考えてほしい」と話す。

=2017/04/13付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:4/13(木) 11:42

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