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被爆者「歓迎すべきこと」 軍事研究、長崎大が自粛通知 課題指摘する声も

西日本新聞 4/13(木) 17:53配信

 防衛装備庁が募集している安全保障技術研究推進制度について、長崎大が研究成果が軍事目的に利用される可能性があるとして、教職員に応募の自粛を通知したことが明らかになった12日、県内の被爆者団体などから評価する声が上がった。学内でも「被爆地の大学としては当然だ」との意見がある一方で、「今後は軍事研究との線引きが難しい事態も起こりうるのではないか」と課題を指摘する声も聞かれた。

 同大は11日の役員懇談会で、安全保障技術研究推進制度への応募自粛を求めることを了承した。同大広報戦略本部によると、異論はなかったという。

 通知は自粛を求めるもので、教職員の申請を妨げるものではないが、同大は「採択に至っても大学としては契約を締結しない方針」と通知。同大の教職員が研究を受託する場合、大学を通じて学長名で契約しなければならず、研究は事実上、受託できない。

 県被爆者手帳友の会会長の井原東洋一さん(81)は「過去の戦争のように、研究者が軍事研究に協力する過ちは繰り返してほしくないので、通知は歓迎すべきことだ。他大学をリードしてほしい」。県平和運動センター事務局長の坂本浩さん(58)も「長崎の大学として当然だ。研究者の良心が示された」と評価した。

 学内からも歓迎の声が聞かれた。同大核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授(核軍縮)は「被爆地長崎のアカデミアの責任として、軍事利用されうる研究にノーを突きつけたことはあるべき姿」と話した。

 医学部の名誉教授の一人は、大学の方針に賛同した上で、「今後は軍事研究との線引きが難しい事態も起こりうるのではないか」と指摘。研究費不足に悩む教員が多いことから、学内で研究者を巻き込んだ議論が必要との認識を示した。

=2017/04/13付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:4/13(木) 17:53

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