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三沢・早稲田(1)貝塚の調査スタート

Web東奥 4/13(木) 11:22配信

 青森県三沢市教育委員会は12日、同市三沢早稲田の小川原湖東岸にある遺跡「早稲田(1)貝塚」で、2017年度の発掘調査を本格的に始めた。6月中旬まで実施、遺跡範囲の確定を目指すほか、1956年度に行われた調査区域の再発掘を行う。
 同貝塚と、南側にある遺跡「野口貝塚」ではいずれも、北海道・北東北で最古となる縄文時代早期中葉(約8千年前)の貝層が見つかっている。市教委は二つの遺跡の報告書を20年度末に刊行し、国史跡として指定するよう21年度、国への申請を目指す。
 市教委による早稲田(1)貝塚の調査は2013年度、遺跡周辺の地形測量を皮切りに始まった。14年度は、1956年度に東京大学東洋文化研究所の故・佐藤達夫氏らが行った調査=以下「前回調査」と表記=地の周辺で、簡易ボーリング調査を実施。地表面から深さ約80センチの位置に、東西25メートル、南北10メートルの範囲で縄文早期末葉(約6200年前)と推定される貝層を確認した。貝層の下には、約7千年前の貝層が良好な状態で保存されている可能性が高いと考えられるという。
 15年度は本格的な発掘調査に着手。前回調査のトレンチ(調査用の溝)の壁の一部を見つけたほか、北側3カ所で新たな貝層を発見、貝層は計4カ所になった。16年度は、前回調査のトレンチの内容確認などを行った。
 17年度は遺跡範囲確定と前回調査区域の再発掘のほか、遺跡区域西側にある南向き緩斜面地で、住居跡の有無の確認調査も進める。
 市教委は早稲田(1)貝塚の調査と並行して17年度、2012~16年度に調査した野口貝塚の出土品の整理を進める。織笠団体活動センター(旧織笠小)内で11日に作業を始めた。
 三沢市教委生涯学習課の工藤司主査は「早稲田(1)貝塚は考古学史としても重要な遺跡として関心を集めている。調査を着実に進めていきたい」と話している。
<早稲田(1)貝塚>
 東京大学東洋文化研究所の故・佐藤達夫氏、野辺地町の考古学者・角鹿(つのか)扇三氏(1888~1980)、六ケ所村の考古学者・二本柳正一氏(1921~89)らが1956年、初の発掘調査を実施。佐藤氏らは翌57年、「考古学雑誌」第43巻第2号に「青森県上北郡早稲田貝塚」として調査成果を発表した。出土した土器は古い順に第1類~第6類に分類、縄文早期中葉~縄文前期初頭の年代を付与され、青森県で土器片を研究する際の基準資料となった。当初は「早稲田貝塚」と呼んでいたが、1970年代に同じ字地に別の貝塚が発見され、「早稲田(1)貝塚」となった。遺跡面積は2500平方メートル。4カ所の貝層が発見されたほか、土器、海水域に生息する貝や魚骨などが出土している。

東奥日報社

最終更新:4/13(木) 11:31

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