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〈第2回 にほんくらし籠展〉COSMIC WONDERと日本の名工による美しい籠たち/東京

4/13(木) 14:06配信

Webマガジン コロカル

コロカルニュースvol.2052

2017年4月15日(土)から30日(日)まで、東京・南青山の〈Center for COSMIC WONDER〉にて〈第2回 にほんくらし籠展〉が開かれます。

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会場に並ぶのは、日本各地のさまざまな用途の籠。

あけび蔓の籠(秋田県)
山葡萄の手提げ籠、沢胡桃の手提げ籠(秋田県)
すず竹の市場籠(岩手県)
篠竹や山桜樹皮等のげし笊(宮城県)
欅の手提げ籠、山胡桃の手提げ籠(新潟県)
真竹のふご(千葉県)
女竹の花籠(千葉県)
根曲竹の林檎籠(長野県)
淡竹の買い物籠(長崎県)
真竹の米揚げ笊(熊本県)
真竹の角籠(熊本県)
葛藤の手提げ籠(鹿児島県)
蓬莱竹のバーキ(沖縄県)
わらびの手付き籠(沖縄県)
月桃の籠(沖縄県)

いずれも、コズミックワンダーが各地の職人を訪ね、新たに編まれた籠たちです。初日の4月15日・16日には、2015年度日本民藝館賞を受賞されたあけび蔓籠職人の中川原信一さんによる制作実演もあるそう。

主宰は、現代美術作家の前田征紀さん率いる〈COSMIC WONDER〉(コズミックワンダー)。近年は手仕事による工藝を組み合わせた美術作品、服、印刷物などを制作し、コレクションとして発表するほか、美術館などにも活動の幅を広げています。

昨年の冬には京都・美山の重要伝統的建造物群保存地区にスタジオを移し、ますます枠にとらわれない活動を行っているよう。どの仕事にも、ていねいな手業や自然に宿る息吹が吹き込まれているようです。

最新のコレクションは、日本の古の衣や古代諸国の民族衣装の構造を用い、最小限の表層からさまざまな印象を伝える〈竜宮衣〉。苧麻布のドレスや手紡ぎ綿の羽織、有機栽培綿の仕事着コート……。

いずれも手紡ぎの自然栽培綿や有機栽培綿・麻、刺し子織の大麻布などの天然素材によって構成され、自然と寄り添うかたちに辿りついた「わたしに帰する衣」。そんなコズミックワンダーが永いときを超え伝えられてきた籠に惹かれたのは、自然なことだったのでしょう。


■職人と真摯に向き合う、コズミックワンダーからのメッセージ

本展のために職人さんとやりとりを重ねてきたCOSMIC WONDERの前田尚謙さんから、メッセージをいただきました。職人さんと前田さんたちのものづくりに対する熱意が伝わってきます。ぜひご一読を!

本展は昨年に続き2度目となります。
今回は予てから訪ねてみたかった新潟、山形、沖縄を新たに周りました。

新潟では、欅(けやき)、山胡桃、山葡萄を使って籠を編む職人が現役です。どれも採取の難しい素材ですが、特に山葡萄は、山奥の10~20メートル頭上に這っていますので採取は一苦労です。職人は80歳を超えてなお材料の採取から行います。今回特別に依頼したのは欅の籠です。職人を訪ねた際に、欅と山葡萄を使った美しい籠を見せて戴きました。

その籠を見ているとふとおもいました。縦と横、全て欅を使った籠はさぞ格別ではないかと。尋ねてみますと過去に作った記憶がある程度で、最近は作ったことがないとのことでした。書くと長くなりますが欅を籠にするのは高度な仕事です。あえて格を付けますと山葡萄ほどになるかと思います。

「全て欅でできた籠を実際に見たことがあるのか?」と職人に訊かれるほど、欅でできた籠は珍しいものです。編むにも力が必要ですので、職人も1つ作るのに疲労困憊です。今回は手提げと脱衣籠を依頼していますが、脱衣籠ほどの大きさは職人も製作に億劫になる程の仕事と言います。

「おとうさんにしかできない仕事、ぜひとも見たいです。」と言いますと、「後期高齢者をひどく働かせるな。」と返されます。手提げ籠は本展に間に合い、脱衣籠は間に合わないかもしれませんが、出来上がりがとても楽しみです。

山形では、山葡萄の籠を探しました。以前、西日本にあります店で数十年前に編まれたであろう山葡萄の籠を見ました。おそらく山形県産です。少し膨らんだ健康的な胴の形、持ち手と縁巻きも見事な仕事です。

店主に産地を尋ねることはできたでしょうが、店主も苦労して探したことを思いますと、それを良しとしませんでした。あのような仕事が残っているのであればぜひ見たいと思いました。それから数ヶ月の後に山形に入りまして、いくつかの集落を訪ねました。職人に会い、その籠も見ることができました。

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