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筒状の炭素分子、初合成=均一ナノチューブに道―名古屋大

時事通信 4/14(金) 3:09配信

 筒状の炭素分子「カーボンナノベルト」の有機合成に世界で初めて成功したと、名古屋大の研究チームが発表した。ナノベルトはカーボンナノチューブ(CNT)を短く輪切りにした構造で、つなげれば均質なCNTの合成が可能になると期待される。論文は14日付の米科学誌サイエンス電子版に掲載された。

 1991年に発見されたCNTは高い導電性と強度が特長で、次世代材料として期待されている。だが、現在の製法ではさまざまな直径や炭素配列のCNTが混在するため、均質に作る方法が求められていた。

 名大の伊丹健一郎教授らは、石油に含まれる有機分子パラキシレンから10段階の化学反応を経て、環状炭素分子を合成。最後に臭素原子とニッケルを触媒に使った反応を加え、ナノベルトを合成した。

 ナノベルトからCNTへの合成はまだ成功していないが、伊丹教授は「最大の障壁は越えた。ナノベルトを鋳型のように使えば、炭素分子が集まってきれいなCNTが合成できると期待している」と説明した。

 ナノベルトは60年以上前に提唱され、多くの化学者が合成に挑戦したが、実現できなかったという。伊丹教授は「化学者が長年夢見た新しい炭素の形を実現できた。CNT合成以外のブレークスルー(飛躍的進歩)も期待している」と話している。

最終更新:4/14(金) 3:14

時事通信