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<熊本地震1年>「仮設2年以内解消困難」6割 首長アンケ

毎日新聞 4/14(金) 7:30配信

 14日で発生から1年を迎えた熊本地震で被害を受けた熊本県内では、今も4万4000人以上が仮設住宅と、民間住宅を県などが借り上げる「みなし仮設住宅」で避難生活を送っている。被害が大きかった県内21市町村の首長に毎日新聞がアンケートしたところ、過半数の13市町村が仮設住宅の入居期限である2年以内での仮設解消は難しいとの見通しを示した。背景には入居者の高齢化もあり、経済基盤が弱い高齢の避難者への支援などさまざまな課題が浮かび上がった。【中里顕、樋口岳大】

【1年前の熊本地震を写真特集で振り返る】

 「我が家は欲しいけれど、もう高齢だし」。震度7の揺れに2度襲われた益城(ましき)町の仮設住宅で昨年7月から1人で暮らす増岡孝子さん(77)はつぶやいた。夫には5年前に先立たれ、35年前に建てた木造2階建ての自宅は全壊した。解体は終わったが、多額の費用をかけて建て直してもいつまで住めるか分からない。「次の住まいをどうするかが一番の悩み」と顔を曇らせる。

 県によると3月末現在で仮設住宅に入居している4179戸のうち、15%の606戸が65歳以上の1人暮らしで、夫婦など高齢者のみの世帯800戸(19%)と合わせると3割を超す。みなし仮設もそれぞれ13%と19%で、やはり3割を超えている。

 災害救助法はみなし仮設も含め、仮設住宅の入居期限を原則2年と規定している。しかし、毎日新聞のアンケートでは、被害が大きかった南阿蘇村や西原村をはじめ13市町村が2年での仮設解消を「困難」と回答。「可能」と答えたのは八代市など3市町村だけだった。

 長期化を見込む理由として、住宅再建を担う業者確保の難しさや被災者全体の経済的問題に加え、「高齢単身世帯への対応に時間がかかる」(宇土市)、「避難者の半数ほどが高齢者で将来に不安を持っている」(山都町)など入居者の高齢化を挙げる自治体も目立った。

 阪神大震災では仮設解消まで約5年かかり、東日本大震災では6年たった今年3月時点でもなお、岩手、宮城、福島3県で被災した約8万人が仮設住宅で生活している。こうした現実も踏まえ、熊本県の蒲島郁夫知事は3月の毎日新聞のインタビューで入居期限を延長する考えを示した。被害が甚大な「特定非常災害」に指定された熊本地震の場合は国が同意すれば延長が可能だ。知事はまた高齢者向けの住宅再建融資への支援など「さまざまな選択肢を用意しながら自宅の再建を進めなければいけない」と語った。

最終更新:4/14(金) 9:46

毎日新聞