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<熊本地震1年>大分、状況把握などに課題 県が初動を検証

毎日新聞 4/14(金) 8:36配信

 大分県内でも由布・別府市を中心に、震災関連死3人など大きな被害を出した熊本地震。始まりとなった前震(県内最大震度4)から14日でちょうど1年がたつ。観光面での風評被害は落ち着いたが、家屋の修理が終わっていない被災者は少なくない。県は発生から半月の初動対応を検証し、情報収集、避難所運営、支援物資について問題があったことを認める報告書をまとめた。自然災害はいつ起きてもおかしくない。課題の克服が急務になっている。【池内敬芳】

 ◇状況把握不足

 報告書は災害情報収集について「建物被害や避難所の状況など必要な情報が十分に把握できなかった」と率直に反省している。

 県は以前から、被災市町村に県職員を「情報連絡員」として派遣する制度を作っていた。熊本地震でも派遣されたが、発生は4月中旬と年度当初。担当市町村の職員と顔合わせも済んでいなかったこともあり、情報収集に手間取った。任務や目的を十分理解できていなかった連絡員もいたという。

 このため報告書は、連絡員が担当市町村と日ごろから「顔の見える関係」を築くことの大切さを指摘。業務マニュアルを作り、研修や訓練を重ね、実際に機能するよう備えておくことを求めている。また、県は防災訓練を例年の秋から年度当初の4月中に前倒しで行うよう計画。職員が災害時の役割をいち早く理解できるようにするのが狙いだ。

 報告書ではさらに全体状況把握のためにどんな情報が必要か、応急対策に必要な情報は何かを、災害発生後の各段階ごとに整理しておくべきだとする。支援を受ける「受援」の体制を整えるため、リーダーの明確化も必要だとした。

 情報の発信では、留学生や外国人観光客らに向けて県災害対策本部に「外国人救援班」を設置。多言語で災害情報を発信するセンターを作るとしている。

 ◇避難所運営

 避難所については、運営に多くの市職員が関わり、市の本来業務に手が回らなくなったことや、運営の手法・手順が確立されていないことが問題とされた。また、車中に泊まる人に支援が届きにくいことも挙げられた。

 今後は、地域住民主体の避難所運営が重要だと指摘し、市町村にマニュアル見直しを促す。ペットを連れた人への対応も充実させる。トイレ不足に備えた簡易トイレの備蓄や、マンホールトイレの導入も支援するという。車中泊をはじめ、指定避難所以外に逃げた人をどう把握するかも、検討課題になった。

■支援物資 支援物資の面では、輸送の拠点確保のため、九州各県が施設を相互利用することや、民間との協力協定締結、ブルーシート備蓄数の増加などを検討する。

 広瀬勝貞知事は3日の定例記者会見で「市町村に出かけて情報を取ってくることが大事だ。避難所運営はできれば早い時期に(被災者による)自助運営にしたい。備蓄ではブルーシートが足らなくなった」と反省点を挙げ、早急に見直す考えを示した。

最終更新:4/14(金) 8:36

毎日新聞