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「シェイクシャック」が味以上にこだわるのは?

ITmedia ビジネスオンライン 4/14(金) 6:21配信

 米国ニューヨーク発の高級ハンバーガーチェーン「シェイクシャック(Shake Shack)」。日本では2015年11月に1号店を外苑いちょう並木(東京都港区)にオープンすると同時に、連日のように大行列ができ、大きな話題となった。

【シェイクシャック創業者のダニー・マイヤー氏。外苑いちょう並木店のスタッフたちと】

 シェイクシャックは2001年、当時治安が悪化していたニューヨーク市マンハッタン区の公園「マディソン・スクエア」の再生を目的としたイベントに、1台のホットドッグカートを出店したことから始まった。夏季限定で3年間出店したこの店は大人気となり、2004年にシェイクシャック1号店となる常設店舗を公園に開業した。

 その創業者がダニー・マイヤー氏だ。同氏は「ニューヨークで最も予約が取れないレストラン」として有名になったアメリカンレストラン「ユニオン・スクエア・カフェ」を手掛けるなど、30年以上もレストラン業界のトップランナーとして活躍する。

 シェイクシャックは現在、米国、日本、英国、韓国、ロシア、トルコ、そして中東諸国で店舗展開する。なぜ多くの地域で支持されるのか、成功の秘けつをマイヤー氏に聞いた。

●シェイクシャック成功のレシピ

――シェイクシャックが日本に進出してから1年半になろうとしています。現在は外苑だけでなく、有楽町、恵比寿と店舗を広げています。いまだに行列ができることもありますが、この成功は予想していましたか?

 実際にやってみなければどうなるか分からないと、いつも謙虚な気持ちを持っています。シェイクシャックの長所は、自分たちの文化や方法を押し付けるのではなく、その土地、その土地のやり方を学び、コミュニティーと一体化することです。それが東京でも受け入れられたことで成果に結び付いたのではないでしょうか。

 もちろん、一つ一つのハンバーガーがもっとおいしくなるように、常に努力しています。しかし、それ以上に顧客へのホスピタリティが大切だと考えています。東京には飲食店が数え切れないほどあり、その中で選ばれるためには、単にお金と食べ物のやり取りだけでなく、心地良い空間が提供されて、顧客が気持ち良くなるようなホスピタリティが大事です。食べ物はあくまでも付録みたいなものだと思っています。

――他の競合店との差別化は、やはりホスピタリティが大きなポイントなのでしょうか?

 シェイクシャックの成功のレシピは2つだけです。49%はおいしい食べ物を提供すること、51%はホスピタリティ。この2つを合わせて常に100点満点を目指しています。いくら優れたサービスを提供しても食べ物がおいしくなければ、そこに顧客は来ません。ただし、食べ物がおいしくても、店にホスピタリティがなければ、顧客が心地良くなるとは限りません。その両立が重要であり、常に100%でなくてはならないのです。シンプルなことですが、これほど難しいものはないのです。

●経験ではなく素質で採用

――出店場所へのこだわりはありますか?

 人のトラフィックが多いことに越したことはありませんが、それがすべてではありません。私は店舗のデザインが大事だと感じています。店の外から見たとき、中から外を眺めたときに、どのように見えるのかということです。

 こだわりと言えば、緑の木々など自然が見渡せる環境に店を作ることです。シェイクシャックの1号店であるニューヨークのマディソンスクエアパークや外苑前は公園の中にありますし、そのほかにも20店舗ほどは緑を望むことができます。

――スタッフのトレーニングはどのように行っているのですか?

 最も重要なのは、どのような人を雇うのかということです。決して経験値ではありません。ハンバーガーを作った経験があるとか、ミルクセーキを作った経験があるとかではなく、人を楽しませる、心地良くさせるような素質を持っているかどうかで選んでいます。そういう人を育てるのがシェイク シャックにとっては大事なのです。

――シェイクシャックが提供するホスピタリティとは、どの国であっても通じるものでしょうか?

 はい、私たちのビジネス理念は万国共通だと考えています。ただし、国によってどれだけのサービスを求めてくるかに違いがあるため、その土地の文化や特徴を理解して、見合ったサービスレベルを提供する必要があります。過剰になっても不足しても駄目です。

最終更新:4/14(金) 6:21

ITmedia ビジネスオンライン