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入居期限、焦りと不安=仮設暮らし今も4万人超―熊本地震1年

時事通信 4/14(金) 14:16配信

 熊本地震で家を失い、仮設住宅などで暮らす県内被災者は今も4万人を超える。

 避難所から移り日常を取り戻そうとする中、入居期限は原則2年と定められており、次の住まいの確保を迫られている。県は災害公営住宅など受け皿づくりを進めているが、生活再建が困難な高齢者らには不安や焦りが広がる。

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 熊本市東区の東町仮設団地。38世帯73人のうち65歳以上が半数を占める。自宅が全壊し昨年9月に入居した内野アイ子さん(79)は、1人暮らしながら自己資金で自宅を建て直すめどがついた。期限内に移る予定だが「自己負担が膨らむため、戻った後の生活を支える資金が心配」と話す。

 山川孝一さん(66)は次の行き先が決まっていない。収入もないため、行政に「弱者を最後まで助ける覚悟を持ってほしい」と注文を付ける。

 県によると、民間住宅を借り上げる「みなし仮設」も含めた県内の仮設住宅入居者は今年3月末で約4万4600人。このうち自力再建が難しく、引き続き支援が必要な人は1割程度とみられる。県は、安い家賃で恒久的住まいとなり得る災害公営住宅約1000戸の整備を進めており、蒲島郁夫知事は「移転が難しい人には個々の事情に応じ丁寧に対応する」とし、仮設からの強制退去を求めることはないと強調する。

 しかし、東町仮設団地で生活支援相談員を務める40代の女性は「災害公営住宅はどこになるか分からず、高齢者は住み慣れた土地を離れ難い気持ちがあるため、不安や焦りは解消されない」と指摘する。

 住まいとともに課題となるのは、仮設住宅でのコミュニティーづくりだ。県内110カ所の仮設団地で、自治会などを軸にコミュニティーが機能している例はまだ少ない。3月末には、益城町で61歳の男性が孤独死しているのが見つかった。

 「くまもと災害ボランティア団体ネットワーク」代表の樋口務さん(56)は「顔の見える近所付き合いの大切さが浮き彫りになった。行政で行き届かない部分を、民間でしっかりサポートすることが求められる」と話す。 

最終更新:4/16(日) 12:31

時事通信