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米の政策期待後退に地政学リスク…円高の流れが業績に影 今期予想に影響も

産経新聞 4/14(金) 7:55配信

 外国為替市場で円高ドル安の流れが鮮明になってきた。13日に円相場は一時1ドル=108円台後半まで急伸。円高が嫌気されて日経平均株価は3営業日続落して年初来安値を連日で更新した。トランプ米大統領の景気刺激策への期待がしぼむ中、シリアや北朝鮮をめぐる地政学リスクが台頭し、トランプ氏によるドル高牽制(けんせい)発言が追い打ちをかけた。円高が加速すれば、輸出関連を中心に企業業績の重しとなりかねない。(森田晶宏)

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 「ドルは強くなりすぎていると思う。それは最終的に害を及ぼすものだ」

 13日に円高ドル安が急速に進んだ直接の要因は、トランプ氏が米紙のインタビューでこう語り、米製造業の競争力をそぎかねないドル高を牽制したためだ。

 さらにトランプ氏は、来年2月に任期が満了するイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任に含みを持たせ、「低金利政策が好きだ」と述べた。

 一連の発言を受け、12日のニューヨーク市場では米長期金利が急低下してドルを売る動きが強まり、1ドル=109円を突破。13日の東京市場もこの流れを引き継ぎ、約5カ月ぶりの円高ドル安水準をつけた。

 円相場は、減税やインフラ投資といったトランプ氏の景気刺激策への期待を背景とした「トランプ相場」のもと、昨年12月15日に一時1ドル=118円66銭まで円安ドル高が進行した。

 だが、今年に入ってからはじりじりと巻き戻しが入った。3月には、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しが失敗。景気刺激策が実現するとの期待も後退した。

 こうした中、今月6日に米国がシリアを攻撃し、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮情勢も緊迫化。地政学リスクの高まりが意識されて投資家のリスク回避姿勢が強まり、比較的安全な資産とされる円や主要国の国債、実物資産の金などが買われ、投資マネーの流れには変化が生じている。

 円相場は今週に入ってから一時2円超も円高ドル安に振れており、企業心理に暗い影を落としかねない。今月下旬からは、3月期決算企業の平成29年3月期決算の発表が本格化する。この先も円高が一段と進めば業績改善の期待が後退し、保守的な業績予想を打ち出す企業が広がる恐れもある。

 北朝鮮が15日の故金日成主席生誕105年といった節目に合わせてミサイル発射や核実験を強行する恐れもある。18日には日米経済対話、23日にはフランス大統領選の第1回投票と、市場関係者が固唾をのんで見守るイベントが相次ぐ。

 みずほ証券の鈴木健吾氏は「1ドル=108円台で踏みとどまれるかが重要。そこを抜けて円高ドル安が進めば、次は心理的節目の1ドル=105円台を目指す動きになる」と指摘した。

最終更新:4/14(金) 7:55

産経新聞