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米、露の孤立化図る NATOと連携、追加制裁も

産経新聞 4/14(金) 7:55配信

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米政権は12日の米露外相会談で、シリアでの化学兵器攻撃にもかかわらずアサド政権を支えるロシアの孤立化を図った。トランプ大統領は表面上は関係改善をうたいながらも、ロシアからの圧力にさらされている欧州で北大西洋条約機構(NATO)の共同防衛を強化し、対露追加制裁も視野に入れる。「孤立主義者」の色は薄れた。

 トランプ大統領は12日、ホワイトハウスで開かれたNATOのストルテンベルグ事務総長との共同記者会見で、シリアのアサド大統領を強く非難した。

 「彼は虐殺者だ。何とかしなければならないと考え、私たちは完全に正しいことをし、成功させた」

 アサド政権の存続を容認する発言をしたトランプ政権高官らの反応を試すようにシリアで4日に起きた化学兵器攻撃。トランプ氏はアサド政権軍が攻撃に使ったとみる空軍基地に巡航ミサイルを撃ち込むことで、ロシアにシリア政策の再考を迫った。

 化学兵器使用という「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えたことに軍事行動で臨むトランプ政権の姿勢は、オバマ前政権の「軍事より外交」路線と対照的だ。このことは、トランプ氏自らが米国の負担を理由に「時代遅れ」と評してきたNATOへの姿勢の変化に表れている。

 トランプ、ストルテンベルグ両氏の会談では、NATO加盟国が国防支出を国内総生産(GDP)比2%以上とする目標を達成する責任があるとの認識で一致。トランプ氏は共同記者会見でNATOを「時代遅れではない」と宣言した。NATOの東方拡大を懸念するロシアの意向に反する形でモンテネグロのNATO加盟も承認した。

 ティラーソン米国務長官は12日、外相会談後の共同記者会見で2014年のロシアによるウクライナ南部クリミア半島併合に端を発する対露制裁を維持すると強調。米大統領選へのロシア干渉疑惑をめぐる追加制裁の可能性にも言及した。

 シリアでのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討作戦には、優勢にあるアサド政権を支援するロシアの協力が不可欠なのも事実だ。ティラーソン氏は「ロシアには緊密な同盟者としてアサド氏に現実を認識させる手段がある」と迫った。ロシアがアサド氏の「残虐な攻撃」(トランプ氏)をやめさせられるかが今後の米露関係にとり試金石となる。

最終更新:4/14(金) 7:55

産経新聞