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さらば“痛勤”首都圏私鉄に広がる「着席通勤」

スポーツ報知 4/15(土) 11:04配信

 “痛勤”からゆったり通勤へ―。西武鉄道は3月25日のダイヤ改正で、朝夕の通勤時間帯などに、新型車両を使った追加料金制の「有料座席指定列車」の運行を始めた。東武鉄道も今月21日から同様に“有料着席列車”を走らせる。「混雑する列車より、追加料金を払ってでも確実に好きな席に座って、ゆったり通勤したい」という利用客の要望に応え、首都圏の私鉄各社は10年ほど前から、追加料金で座席を指定できるサービスを相次ぎ導入。京王電鉄も来春に導入予定で、流れは広がっている。(高田 典孝)

【写真】首都圏私鉄各社の「有料着席列車」

 西武鉄道が3月25日から運行を始めた追加料金制の座席指定列車は「S―TRAIN(トレイン)」。運行区間は、平日が所沢―豊洲(東京メトロ有楽町線)間を約1時間で結ぶ。追加料金は所沢―豊洲間では510円になる。通勤時間帯は朝に上り1本、午後、夕方以降に上り3本、下り3本を運行する。土、日曜と祝日は観光客向けに西武秩父―元町・中華街(みなとみらい線)間を走る。

 車両は新型の40000系。座席は朝夕の通勤時間帯には、進行方向に向かって座るように配列された2人がけのクロスシートで、日中は通常の横向きに座るロングシートとなり一般の電車として運行する。車内にはスマートフォンの充電やパソコンなどに使える電源コンセントが、窓側の足元に設置されている。

 また東武鉄道は、今月21日のダイヤ改正で導入する新型特急車両「リバティ」を使って、「スカイツリーライナー」と「アーバンパークライナー」を運行する。スカイツリーライナーは浅草―春日部間、アーバンパークライナーは浅草―大宮・野田市間、大宮―運河間をそれぞれ走る。追加料金はスカイツリーライナー上りの春日部から北千住、浅草まで510円など。車内のすべての座席に電源コンセントがついている。

 両社の車両ともに車内では無料Wi―Fiが利用可能。また、ネットやスマホなどで座席の予約ができるので、自分が利用する駅の階段などに近い車両を指定することもできる。

 追加料金制の“着席列車”は1984年、国鉄(当時)が上野―大宮間で走らせた「ホームライナー」が始まりとされる。それ以降、確実に座って通勤したいというニーズは高まってきた。西武鉄道によると「特急レッドアローで通勤する方が増えていた」という。東武鉄道も東上線で2008年から運行する座席定員制のTJライナーが好評で、さらに春日部―浅草間では従来の特急を利用する通勤客が多い。鉄道会社としては、“着席列車”を走らせることで「沿線地域が人気になって、沿線価値が上がり、沿線住人も利用客も増えてほしい」との思惑もある。

 ただ、各社とも現在の過密ダイヤの中では、朝夕のラッシュ時に運行できる“着席列車”は数本程度に限られ、これ以上増やすのは難しいという。それでも通勤のスタイルがある程度選べるのは、勤め人にとっての朗報といえそうだ。

 ◆京王電鉄も来春に予定

 京王電鉄では、2018年の春をメドに追加料金制の座席指定列車の運行を開始する予定だ。この列車は平日、土日祝日の夜間帰宅時間帯に新宿―京王八王子、新宿―橋本間で運行する。追加料金や列車名、ダイヤなどは未定だ。

 列車は新型車両5000系を導入する。同車両は、2人がけのクロスシートからロングシートに転換できる座席を採用、追加料金制の着席列車の時はクロスシート、そのほかの時はロングシートになる。また、車いすやベビーカーを利用する乗客も使いやすいように、各車両に専用のスペースを設置する予定だ。

 京浜急行電鉄は、朝夕の通勤時間帯に運行している「モーニング・ウィング号」と「ウィング号」を5月1日から座席指定列車にする。同列車は、92年から運行され、品川―京急久里浜・三崎口間を結んでいる。

 これまでは、事前に座席定数分の乗車整理券を発売して、着席を保証するタイプだったが、座席を指定することはできなかった。これからは確実に座れる上に、事前に好きな座席を選ぶことができるようになる。

最終更新:4/15(土) 16:42

スポーツ報知