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熊本地震から一年、震災に学ぶべき教訓とは何か?

All About 4/14(金) 7:45配信

◆震度7が二度襲った熊本地震

熊本県は地震災害の経験が少なく、過去100年に渡り最大震度は5強程度であり、大きな被害記録が無く、人的被害が発生したのは1889年にまで遡ります。

そのためか熊本市内にはまだ「非耐震建築」と呼ばれる、現行制度に比べて耐震性の低い建築基準で建設された建物が多数存在していたため、2016年4月14日以降に相次いで発生した熊本地震における人的被害はそれらの全壊した家屋の内部で発生しました。

また国のまとめた地震発生予測においても、過去30年間で0.9%以下だったということもあり、自治体の地震対策の遅れ、地域住民の災害への意識の低さが被害を拡大させたのではないか、ということも指摘されています。

災害の記憶はあっという間に忘れさられていきます。日本列島においては「自分のところだけは安全」という場所はありません。どんな場所でも「震度7」の地震が発生しうるのはもはや常識です。すべての国民は自分や家族のために、その日に備えておかなければならないのです。

◆なぜ人的被害が数多く発生したのか

海溝型という海の中で発生する津波を伴った地震を除き、陸地内の断層で発生する地震被害による死者の多くは、家屋が倒壊することによって発生します。

熊本地震においては14日から16日にかけて震度6弱~震度7の地震が合計7度、特に16日の震度7の「本震」とされる地震によるダメージが大きかったと思われます。前述のように人的被害の多くは「非耐震」の古い木造家屋を中心に発生してはいますが、実は全壊・半壊した4万2000棟に及ぶ家屋の中には、2000年以降に建築された「新耐震基準」によって建築された建物も数件含まれています。

現地を視察すれば「非耐震」と「耐震」の建物の被害の程度の差は明らかであり、地震被害対策の主眼は家屋の耐震性確保であることは変わりません。しかし、震度7という揺れが複数回発生すれば、たとえ「新耐震基準」で建てられた建物であっても、場合によっては無事では済まされない、ということが熊本地震では証明されてしまいました。

また被害の大きかった地域では、火山性の堆積物によって構成された弱い地盤が広がっており、さらに14日の地震発生後、倒壊を免れた家屋に戻ってしまったために、家屋が全壊し被害に遭った、というケースが続出してしまったのです。実際に家屋内での人的被害の多くはこの16日の「震度7」発生時に起きています。


これまでの地震発生の常識では大きな揺れは一度きりで、その後は小さな揺れにすぐに収束していく、というものでした。それが熊本地震により覆ってしまいました。この地震以降、気象庁の地震発生後の会見内容も変わってきています。「大きな地震の揺れは連続することもある」ということを頭に入れて、避難行動などの安全確保は一定期間続けなくてはいけない、ということも忘れてはいけません。

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最終更新:4/14(金) 7:45

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