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えッ! 「不安」な心の持ち主は「向上心」の強い人!?

All About 4/14(金) 8:30配信

◆「よりよく生きたい」気持ちの裏にある感情は?

人前に出るとうまくしゃべれない、本番になると頭が真っ白になってしまう――こんな不安に取りつかれやすい人は、人生のあらゆる場面で「生きにくさ」を感じていることと思います。しかし、そんな自分を取り巻く不安な気持ちは、実は「向上心」の表れであることをご存じでしょうか?

日本の伝統的な心理療法である「森田療法」に、「生の欲望」「死の恐怖」というキーワードがあります。ここではこの2つのキーワードをもとに、不安な心の謎を紐解いていきましょう。

「生の欲望」とは、幸せになりたい、成功したい、注目されたい、というような「よりよく生きたい欲望」を意味します。つまり、人前でしゃべることに自信がない人には、「あがらずに話せるようになりたい」といった欲望があり、本番になると頭が真っ白になる人は、「ミスなく完璧に本番にこなしたい」といった欲望があります。

この欲望が満たされないのではないか、と感じる不安が「死の恐怖」です。つまり、「うまくしゃべれないのではないか」「失敗するのではないか」という不安が、死の恐怖なのです。

この生の欲望と死の恐怖は、表裏一体の関係にあります。「よりよく生きたい」という気持ちがあれば、必ず「そうならなかったらどうしよう」という不安も感じるのです。

◆不安にとらわれる人も、とらわれない人も、湧く感情は同じ

この生の欲望と死の恐怖は、誰もが持っているものです。しかし、不安の多い人は死の恐怖(うまくできなかったらどうしよう)にばかりに意識をとられ、「どうしたらこの不安がなくなるのか」「不安になっている自分はダメだ」ということばかり考えています。そのため、逆に死の恐怖に集中してしまっているのです。

実は、不安にとらわれていない人でも、同じような死の恐怖を感じているものです。しかし、不安にとらわれない人は、死の恐怖を感じつつも生の欲望を満たすために具体的に行動しています。人前は苦手だけれど必要だから話し、失敗が不安でも、やるしかないからやっており、その結果、経験を重ねて上達しているのです。

一方、不安にとらわれる人は、「この不安を克服しなければ、うまくいくはずがない」と考えます。つまり、「不安になるからダメなんだ」「弱気を直さなければ」というように、死の恐怖を生じさせる原因を排除しなければと思い込み、それがうまくいかない自分に自信を失っているのです。

しかし、死の恐怖は生の欲望に必ずついて回るものなのですから、所詮、取り除くことなど無理です。したがって、まずは「この気持ちは誰もが感じる自然な感情である」と認めてしまうことが必要です。

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最終更新:4/14(金) 8:30

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