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鉄スクラップ価格、反転上昇の公算。高炉メーカーが購入拡大計画

鉄鋼新聞 4/14(金) 6:01配信

 軟化局面が続いている鉄スクラップ価格が反転上昇する可能性が出てきた。原料炭価格の高止まりが濃厚となるほか、高炉メーカーがコスト上昇をミニマム化しようと鉄スクラップの購入を増やす計画を立てているためだ。高炉メーカーが購入するのは新断やHSなど高級スクラップが中心だが、高炉の購入拡大によってスクラップ全体の需給が引き締まる可能性は高い。

 高炉メーカーの主原料をめぐっては、鉄鉱石が4~6月積みで36%上昇。当初値下がりするとみられていた原料炭も豪クイーンズランドでのサイクロン発生によって、価格が見通せない状況にある。
 原料炭のうち強粘結炭(コークス主原料)のスポット価格は13日時点で1トン300ドル(中国着価格)を突破。1~3月積みの285ドルを上回るレベル。
 一方、スクラップ価格は足元で軟調な動き。関東地区では電炉メーカー各社が東京製鉄・宇都宮工場の購入価格引き下げに追随する動きを見せている。
 新日鉄住金やJFEスチールなど高炉メーカーは、原料炭の価格が見通せない中で、コスト上昇を最小限にとどめるには足元で割安なスクラップの購入拡大が必要とみている。
 新日鉄住金などは当面、4~6月期での購入拡大を計画。数量は製鉄所周辺の地域市場の動向を見ながら決めるもよう。ただ、製鋼工程のホットメタルレシオ(溶銑比率)の下限とされる85%を維持する必要があり、冷鉄源比率は最大でも15%程度にとどめる方向。
 スクラップ価格は足元で軟調とはいえ、高炉メーカーの購入拡大により価格が反転上昇するのは必至。このためスクラップの購入拡大がコストアップ抑制にどこまで効くかは不透明な部分も多い。高炉原料では、鉄鉱石、原料炭のほか、めっき用の亜鉛や錫なども高い。さらに輸送コストの上昇も高炉の収益を圧迫する要因。
 新日鉄住金は4月以降、コスト上昇の転嫁分として、鋼材価格を1トン当たり5千円値上げする方針を打ち出している。この価格政策は3月上旬時点の原料動向を踏まえたもので、原料をめぐる環境はその後、大きく変化している。従来の価格政策ではコスト上昇を吸収できない可能性も出ている。

最終更新:4/14(金) 6:01

鉄鋼新聞