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キリン、缶チューハイ商戦で一歩リード。戦略商品「旅する氷結」5割増産へ

ニュースイッチ 4/14(金) 9:04配信

全方位戦略奏功、若い女性向けにヒットの予感

 キリンビールは缶チューハイ「キリン 旅する氷結=写真」を、4月と5月に当初計画と比べ5割増産することを決めた。3月21日に発売し2週間余りで、年間目標の半分にあたる35万ケース(1ケースは250ミリリットルの24本換算)を販売するなど好調なため。需要が高まる行楽シーズンを迎えることもあり、販売に弾みをつけたい考えだ。

 旅する氷結は、海外で飲まれている各種の酒類を飲みやすくアレンジした商品。アルコール度数は4%とやや低め。「マンマレモンチーノ」「アップルオレンジサングリア」「カリビアンモヒート」の3種類あり、ビールが苦手な若者や女性に訴求している。

 取手工場(茨城県取手市)、岡山工場(岡山市東区)、キリンディスティラリー富士御殿場蒸留所(静岡県御殿場市)の計3工場で生産している。

 ビール離れに歯止めがかからない状況だが、缶チューハイの販売は好調。2016年は業界全体で、前年比約11%伸びた。酒税の違いから店頭価格は350ミリリットル缶でビールより約50円安いほか、季節限定の原材料などを採用しやすく差別化も容易だ。缶チューハイをビールに次ぐ柱に育てる動きは、止まりそうにない。

 東京五輪・パラリンピックが行われる20年を含めビール税は多少下がるが、基本的に缶チューハイと価格差は残る。このため、キリンビールの布施孝之社長は「低価格の強み」を発揮できると見る。キリンは17年に、缶チューハイ主力の「氷結」で前年比6・3%増の3730万ケースを目指す。

 ライバルのサントリースピリッツが、高アルコール度数の商品を中心に売り上げを伸ばすのに対し、キリンは“全方位戦略”で対抗する。

 キリンが全方位戦略を進めるのは、高アルコール商品に一定の需要を認めつつも「それだけでは伸びに限界がある」(同社)ため。各ブランドの販売計画は、高果汁分が特徴の「本搾り」が同9・1%増の917万ケース、「ビターズ」は同横ばいの350万ケースなど。

 同社は中高年層は価格競争力で高アルコール商品を好むが、若者や女性は「とことん酔うのを嫌い、ほどほどの酔いや甘さを求める」と分析。戦略商品「キリン旅する氷結」は、アルコール度数を中級の4%に設定。反応を見ながら品ぞろえを増やす。

 サントリーグループのサントリースピリッツは、アルコール度数が9%と高い商品に力を入れる。また、食中酒ユーザーは果実感を求めるタイプと甘くない味を求める二つがあると見て、それぞれの商品を強化する。

 キリンとサントリーの2強を追うアサヒビールは、基幹ブランドとして16年4月に発売の「もぎたて」が、年間706万ケースを売るヒット。17年は1100万ケースを目指す。平野伸一アサヒ社長は「2強に伍(ご)していくにはさらに上の数字が必要」と強気だ。

最終更新:4/14(金) 13:07

ニュースイッチ