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木嶋被告の死刑確定へ 立証が大変だった…元捜査員「一つの区切り」

埼玉新聞 4/14(金) 22:39配信

 首都圏の連続不審死事件で、最高裁は14日、木嶋佳苗被告(42)の上告を棄却した。死刑判決が確定する。「一つの区切り。こういう結果が出て良かった」。埼玉県警捜査1課の捜査主任官として事件を担当した県警OBの白川豊美さん(64)は、最高裁判決を受けて率直な胸の内を語った。

 事件は犯行現場を誰も見ておらず、木嶋被告も全面否認したため、「立証するのは正直に言って大変だった」。それでも現場に不審な点が多くあり、白川さんは「どう考えても自殺ではなかった」と振り返る。

 例えば、火を付けるためのマッチはあったものの、マッチ箱がなかったり、遺体が発見された車の鍵も見つからなかった。残された練炭もほとんど不完全燃焼だった。捜査を進めていくと、被害者が練炭を購入した事実はなく、木嶋被告が大量に買っていた。遺体の司法解剖の結果、睡眠剤が検出されたが、木嶋被告は医者から大量の睡眠剤を受け取っていたことも分かった。被害者が木嶋被告との結婚を強く意識していたことも、被害者の母親が証言したという。

 「どんな捜査でも被疑者ではない場合、どんどん疑いが薄くなっていくが、今回はやればやるほど濃くなっていった」と白川さん。携帯電話やメール、パソコンのデータも丹念に解析して、詐欺、窃盗など一つ一つの容疑を固め、殺人の立件までつなげた。

 2009年8月6日の事件発生から、9月25日の詐欺罪による最初の逮捕まで約7週間。「本当なら半年や1年でやるものを、2カ月もたたずにやった。もっと長くかけたかったが、次のターゲットもいたようだ。4人目の被害者を出すわけにはいかなかった」と短期間で捜査した苦労を思い出す。

 白川さんは被害者の心情を察し、「結婚する気持ちで木嶋被告に会いに行ったのに睡眠薬を飲まされて、気付いたらあの世だったと思う。それを考えると、とんでもないこと。ようやく成仏できる。親族も判決を聞いて安心したのではないか」と一息ついた。

 当時の捜査1課長だった県警OBの桜井雅彦さん(60)は「捜査を適正に行ったことの当然の結果だと思う。被害者のご冥福を改めてお祈りする」と神妙に話した。

最終更新:4/14(金) 23:42

埼玉新聞