ここから本文です

熊本地震1年 孤独死防げ、兵庫の支援

神戸新聞NEXT 4/15(土) 9:00配信

 熊本地震の前震から1年を迎えた熊本県内では1万人以上が仮設住宅で暮らす。先月28日、益城町(ましきまち)の仮設住宅では高齢男性の「孤独死」が判明。見守りや住民のコミュニティーをどう築くかは喫緊の課題だ。住民らは、同じ課題を抱えた阪神・淡路、東日本大震災での経験を参考に模索を続ける。14日には、兵庫の支援団体が仮設を訪れ、住民らと意見を交わした。(小林伸哉)

 益城町にある県内最大のテクノ仮設。約500戸に約1320人が暮らし、プレハブの商店街もある。

 増永清人さん(48)が営む整骨院には、睡眠薬を飲んで転び、施術に訪れる高齢者が多い。先が見えない不安から眠れなくなるためだという。「私自身、元の場所で営業を再開できるのか不安」と明かす。

 巡回訪問に取り組む看護師団体「キャンナス熊本」の山本智恵子代表(39)は「自宅再建などの見通しが立つ人と立たない人が二極化する。高齢でなくても頼れる人がいなければリスクは高い」と話す。今後、見守りの充実を図るという。

 孤独死が出た阪神・淡路や東日本の教訓から、同仮設には集会所が11カ所設けられ、月計数百回の催しがある。しかし、参加しない人も多い。この日の追悼行事で自治会代表の吉村静代さん(67)は「毎日、様子を見合い、次の生活につながる仮設住宅にしよう」と涙ながらに訴えた。

 一方、独居男性=当時(61)=が亡くなった惣領(そうりょう)仮設には約60戸約140人が暮らす。約3分の1が独居世帯だ。男性宅のポストには新聞や郵便物がたまり、明かりは消えたままだった。「気づけず悔しい。絶対に繰り返さない」と自治会長の楠田登喜男(ときお)さん(65)。4月から「元気」と示す黄色い旗を朝に掲げ、夕方にしまう運動を始めた。

 ひょうごボランタリープラザ(神戸市)の高橋守雄所長(68)は14日、高齢者の引きこもり防止に向け、テクノに「コミュニケーション麻雀(マージャン)」を寄贈。惣領の取り組みを視察、交流の場づくりの支援を約束した。

 阪神・淡路で神戸市内の仮設住宅を調査した熊本学園大学(熊本市)の高林秀明教授(47)は「入居者がドアを開けるまでの時間、声の調子など細かなことまで見守りボランティアらが共有する実践があった。それを熊本でも浸透させるべきだ」と語る。

最終更新:4/15(土) 9:23

神戸新聞NEXT