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たまごっち誕生20年 「遺伝」で原点回帰

産経新聞 4/17(月) 9:30配信

 バンダイの携帯型育成ゲーム「たまごっち」が誕生して20年が経過した。同社は20周年を記念し、昨年7月に「たまごっち みくす」を発売。開発チームはたまごっちの原点を意識しつつ、「遺伝」の要素を取り入れるなど、新たな楽しみ方を示した。

 たまごっちは平成8年に発売され、キャラクターにエサを与えて育てる遊び方が爆発的な人気を呼び、社会現象にもなった。同年11月から11年3月まで販売された初代たまごっちシリーズは、全世界で累計4000万個を記録した。

 その後、16年3月に赤外線通信機能を搭載した「かえってきた!たまごっちプラス」として復活。1年から1年半の間隔で新製品が発売され、28年3月末現在で累計8100万個以上を販売している。

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 「たまごっち みくす」について、開発担当のガールズトイ事業部キャラクター2チームの木次佳織アシスタントマネジャーは「20周年を意識して原点回帰にこだわった」と語る。

 たまごっちの醍醐(だいご)味は世話や育成にあり、その点を楽しめる企画を考えた。そこで出てきたのが「遺伝子」の要素をゲームに取り込むアイデアだった。

 これまでは、育てたキャラクターが結婚して生まれた子供は親に全く似ていなかった。新製品では遺伝子が引き継がれる。キャラクターは幼児期、反抗期、思春期、フレンド期と成長するが、幼児期は父親似、フレンド期は母親似など親の特徴を引き継いでいく。

 育て方によってキャラクターは変わり、数千万以上のパターンがある。

 たまごっちの主要販売ターゲットは小学生の女の子。木次氏は「遺伝の意味をどう伝えるか悩んだ」という。そのため、キャラクター家族の写真を撮影できるようにしたり、20世代まで遡(さかのぼ)って家系図で自分の育てたキャラクターのルーツを確認できるようにしたりした。

 例えば、目が祖父母と似ているといった楽しみ方もできる。家系図の導入で、小学生でも感覚的に誰と似ているのか分かるよう工夫を凝らした。

 通信機能を使って友達同士で端末をつなげば、アイテム交換や互いのたまごっちが「行き来」できる。互いのたまごっちが結婚したら、どんな子供が生まれるのか占う遊びも加えた。

 木次氏は21~24年にもたまごっちの企画を担当。今回で2回目だが、開発で一番苦労したのは「数千万以上のキャラクター確認だった」と振り返る。キャラクターはコンピューターで作成するが、最後は人の目による確認が必要で作業に膨大な時間がかかった。

 今回は20周年のため、プロモーションも通常より大々的に展開。小学生に遺伝を理解してもらうため、イベントでDVDを配り、遊び方を伝えるようにした。

 同部事業戦略チームの加藤陽子アシスタントマネジャーは「(購入した)小学生たちの反応を見ると、(キャラクターが)親と似ているという意味が想定以上に伝わっている」と顔をほころばせる。

 バンダイは昨年11月にも「たまごっち みくす 20th アニバーサリー みくす バージョン」を発売した。7月の新製品をベースに、過去の懐かしのキャラクターも登場させたバージョンだ。

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 初代シリーズを購入した当時の女子高校生や女子大学生はすでに母親になっており、娘、息子と一緒にたまごっちを楽しめる。

 たまごっちは50以上の国と地域で販売され、世界的な認知度も高い。木次氏は「遊び方は守りつつ、時代に合わせて壊すところは壊し、これからも長く愛されるキャラクターであり続けたい」と話す。(経済本部 黄金崎元)

 ■たまごっち みくす たまごの形をした携帯型育成ゲーム。中央に液晶画面があり、3つのボタンで操作する。キャラクターを選んで世話をして育てる。結婚して生まれた子供は親の遺伝子を引き継ぐのが特徴。全6種類で色はピンク、ブルー、パープルがある。想定価格は4000~5000円台。

最終更新:4/17(月) 10:25

産経新聞