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美宇、飛躍のきっかけは補欠に回ったリオ五輪 相手のミス待ちから攻撃的なプレーに変化/卓球

サンケイスポーツ 4/15(土) 20:42配信

 躍進の秘密は戦法の変化だった。卓球のアジア選手権(中国・無錫)女子シングルス決勝で平野美宇(17)=エリートアカデミー=が世界5位の陳夢(23)=中国=を3-0で破り初優勝。この種目では1996年の小山ちれ以来、21年ぶりの快挙となった。

 14日の準々決勝で昨年のリオデジャネイロ五輪金メダリストで世界1位の丁寧(26)=中国=から金星を挙げると、準決勝では世界2位の朱雨玲(22)=中国=にストレートで快勝。相手のミス待ちから攻撃的な卓球に変えたきっかけは、リオ五輪代表で補欠に回ったことだった。

 はるばるリオデジャネイロまで赴き、福原愛(28)=ANA、石川佳純(24)=全農、同級生の伊藤美誠(16)=スターツ=をリザーブとして支えた。団体で銅メダルを獲得し、うれし涙を流した3人の荷物持ちから練習パートナーまで経験した一方、中国勢の練習を目に焼き付け、地球の裏側で飛躍の機会をうかがっていた。

 10月の女子ワールドカップ(W杯)を日本勢として初制覇。その後は最高峰の中国に遠征し、スーパーリーグに1カ月、単身武者修行に出た。世界トップの選手のほぼ全員と対戦し、中国選手団とともに生活することで苦手意識が消えた。また中国出身で日本では石川らを指導していた中沢鋭(るい)コーチと組み、パワーアップに着手。ウエートトレーニングも始めたことで攻撃型プレーに拍車がかかった。1月の全日本選手権では決勝で石川を破り、史上最年少となる16歳9カ月で初優勝を果たした。

 世界選手権(5月29日~6月5日、デュッセルドルフ=ドイツ)ではシングルスに加え、石川とのダブルスでも選出された。これまでは伊藤との“みうみま”ペアで注目を集めたが、この大会は左利きの石川との“かすみう”で頂点を狙う。

 『美宇』という名前は美しい宇宙に前途洋々の未来をイメージしてつけられた。幼少期の夢は大好きなキャラクターに囲まれた「キティ屋さん」だった。アイドルグループ「乃木坂46」のファンで、渋谷のファッションビル「SHIBUYA109」巡りも趣味の一つだ。

 卓球を始めたのは3歳だった。母親の真理子さんが当時、山梨・田富町(現中央市)に卓球教室を開設し、一緒にいたくておねだりした。3歳の終わりに出場した地域の卓球大会では、大人を相手に奮戦した。5歳のとき地元メディアの取材で「夢は?」と聞かれ、このとき初めて「オリンピックで金を取りたい」と答えた。昨年12月、国際卓球連盟(ITTF)が年間で最も躍進した選手に贈る「ブレークスルー・スター」に輝いた成長著しい17歳が、3年後の東京五輪で幼い頃からの夢を具現化する。

最終更新:4/15(土) 21:41

サンケイスポーツ