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「離乳食に蜂蜜」「豚肉でユッケ」 一斉に点検 レシピサイト運営会社

4/15(土) 7:00配信

日本農業新聞

 乳児が蜂蜜を摂取して死亡した食中毒事故を機に、インターネット上の投稿型レシピサイト運営会社が、サイトに掲載される料理レシピの点検を始めた。健康に害を及ぼす可能性がある投稿が見つかったためで、各社は問題があると判断したものを削除するなど対策を取り、国も注意を喚起する。一方、こうしたサイトを利用し農産物PRにつなげているJAも多く、消費拡大につながる可能性も秘めている。

削除、投稿差し戻しも 消費者庁 「なお注視」

 東京都足立区の生後6カ月の男児が蜂蜜が原因の乳児ボツリヌス症で死亡した事故を受け、ネット上では「料理レシピサイトに離乳食の食材として蜂蜜が使われているものがある」との指摘が相次いだ。その後、豚のユッケといったE型肝炎ウイルスに感染する危険性があるレシピの投稿も判明。非難の声が上がった。

 料理レシピサイト大手「クックパッド」の運営会社は9日、サイトで注意を喚起。「離乳食 蜂蜜」で検索すると示されるレシピを再チェックし、投稿者へも注意を呼び掛けた。

 同様のサイトを運営する「楽天」も同日、注意喚起とレシピの確認を行っていることを発表。ガイドラインに沿っていれば受け付けていたが、健康に害を及ぼす恐れのあるレシピは差し戻しを開始した。同社は「信頼できる情報を発信していくために努力していきたい」(広報部)と話す。

 消費者庁は各社のレシピサイトに、1歳未満向けの離乳食に蜂蜜を使ったレシピがないか確認した。安全とされる1~1歳半向けのものが多く、各社が対策を講じていると判断。「現状で既に改善されている」とした。豚ユッケなど健康リスクを伴うレシピが掲載されていることについては「消費者が常識で考え食べないものだと考えているが、今後も注視したい」とし、消費者の被害や動向に応じて対策を検討する考えだ。

食材PR 絶好の場

 批判の出た投稿型レシピサイトだが、地元農産物の消費拡大に役立っているとの声もある。日本農業新聞の調べでは、クックパッド内に全国17JAがサイトを開設してレシピを投稿している。

 2015年4月から投稿を開始したJA宮崎経済連は、野菜ソムリエの職員やJA女性部員が考えた445のレシピを投稿。特産マンゴーについて「切り方を知った」という声が寄せられるなど意外な反応もあり、インターネットによる反響の大きさを感じている。

 動画サイトにレシピを投稿するJAも出てきている。青森県のJAゆうき青森は10年から、動画投稿サイト「ユーチューブ」に特産のニンニクやナガイモなどを使ったレシピを公開。JAは「文章より分かりやすい。動画を見た人から問い合わせがあり、購入につながった事例もある」と効果を実感する。現在、レシピ投稿は途絶えているが再開を望む声もあり、再開を視野に入れている。

 日本農業経営大学校の小野史専任講師は「料理の作り方を知る最初の選択肢がレシピサイトだ。作り方の提示は、食材のPRにもつながる」と利点を挙げる。(川崎学)

<ことば> 投稿型レシピサイト

 登録利用者がインターネット上に自慢のレシピを写真や動画と共に投稿する料理サイト。料理名や食材を検索すると、投稿されたレシピを閲覧できる。最大手のクックパッドは260万品を掲載し、毎月延べ6300万人以上が利用している。

日本農業新聞

最終更新:4/15(土) 7:00
日本農業新聞