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ネットの時代でも「旅にガイドブックが欠かせない」理由とは?

4/15(土) 11:30配信

TOKYO FM+

今年のGWはどこに行こうかと考えながら、旅行ガイドブックを眺めている時間はとても楽しいですよね。でもその前に悩んでしまうのが、本屋さんに何百冊も並んでいる旅行ガイドブックのセレクト。今回は、そんな「旅行ガイドブック」の使いこなし方や今年おすすめのスポットを、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました。

◆「ネットの時代でも旅にガイドブックが欠かせない理由」
~「るるぶ」編集部 首都圏エリア編集担当 野嵜理佳子さん

── 旅行ガイドブックって毎年新しくなっているんですか?

ほとんどの「るるぶ」は毎年新しいものが出ています。エリアによって情報がすごく変わるところとあまり変わらないところがありますが、人の動きが変わったりちょっとずつ新しいお店ができたりするので、何かしらの新しい情報はご覧いただけます。たとえば映画やドラマのロケ地になった場所があれば急に人が集まるようになったりしますね。

私も現地へ行って情報を集めるのですが、気になったお店に入って店員さんに「最近、流行っているお店はありますか?」と尋ねて、次はそのお店に行って同じように聞いて……とあちこち巡るのが基本ですね。意外と地味でしょう? もちろん話題のスポットにも足を運びますが、口コミで評判になっているお店も大事ですから。

── ネットの時代に本の強みってあるんでしょうか?

本ならではの良さとしては写真が大きく見えることだと思います。綺麗な写真を見て「ここに行ってみたい」と思うのは、本の大きさがあってこそ。それから本は一覧性にも優れていて、行きたいお店やスポットのリストと地図を並べて同時に見るには本のほうが便利ですね。一冊の本をみんなで覗き込みながら「ここ行きたいね」とワイワイ盛り上がれます。旅先だと電池の心配をしなくて良いのも強みです。

地図が大きいのはドライブのガイドとしても便利です。「るるぶ」ではドライブおすすめコメントでSAやPA、道の駅の情報などもご紹介しているので、地図を見て「ココの名物をちょっと食べてみたい」と思ったらぜひ寄り道してみてください。もちろん「ここは道が狭い」「険しい山道になる」みたいな情報も載っています。

── GWにおすすめの場所ってありますか?

私のおすすめは軽井沢です。ちょうど雪が溶けて新緑が美しい季節で、爽やかな風を感じながらドライブやサイクリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。また最近はテラスが綺麗なカフェも人気がありますね。中軽井沢の『離山房』はジョン・レノンも足繁く通ったカフェで、森の木立の中にポツンと建っている素敵なお店です。さらに今年は『軽井沢マリオットホテル』『レジーナリゾート軽井沢御影用水』、去年の夏には地元の野菜を販売している「軽井沢発地市庭」がオープンしています。

同じ信州でも松本なら「縄手通り」が注目です。この通りは女性に人気の可愛い雑貨屋さんや、蔵を利用したカフェなど、新しいお店が集まっています。女の子とお出かけするなら、きっと喜んでもらえるでしょう。


◆「旅が好きな女性のためのガイドブック!」
~(株)昭文社「ことりっぷ」担当 大川朝子さん

「ことりっぷ」は小さい旅(小トリップ)という意味で名付けられた旅行ガイドブックです。イメージは28~35歳くらいの、経済的にも精神的にも自立した旅好きな女性に満足してもらえるガイドブック。2008年に創刊して、当初は国内版32冊だったのが、現在は国内外あわせて113ものラインナップがあり、累計発行部数は1500万部に達しました。

「ことりっぷ」が創刊した2008年頃から女性向けのガイドブックがチラホラと登場していたのは、一番フレキシブルに旅行ができるのが、まだお子さんのいない働く女性だからなのでしょう。そこで京都、沖縄、台湾、ハワイなど国内外の有名観光地にひと通り行った人が、ゆっくりじっくり自分の時間を過ごしながら、自分らしい旅を楽しめるガイドブックを目指して「ことりっぷ」は生まれました。

── 女性向けというのは具体的にどんな工夫でしょうか?

一番の特長は軽いこと。旅先で持ち運びしやすいように大きさや軽さにこだわっています。見た目もいかにもガイドブックという感じではなく、ちょっと手帳のようにも見えるデザインです。おすすめしているスポットも女性向けで、たとえば鎌倉には小町通りという大通りがあるのですが、4~5つくらいのお店に限定して「大人かわいい店でお散歩」という特集で紹介しています。

また近年はSNSによってさまざまな情報が手に入るようになったので、もっと地元の人の行きつけやおすすめを知りたいという需要が深まっています。そこで「ことりっぷ」では、富山だったら「文学や美術でアートな1日を過ごす」とか「富山薬膳のほっこりしたランチ」などのテーマを設定することによって、自分だけの旅のテーマを考えやすくしています。

── この春、おすすめの場所を挙げるとしたら。

私のおすすめは栃木県の益子。ここは益子焼で有名な町ですが、近年は陶芸に限らずモノ作りをする若い方が集まって、古き良きモノを残しながら新しいモノをどんどん作りだしているんです。町の中心に古い建物が軒を連ねていて、そこがギャラリーになっていますし、その間に素敵なカフェやランチスポットが点在しています。

益子は絶景ポイントがある観光地ではありません。でも、風や木々の音、自然の光、そして益子焼が作られる土の感触などが、歩いていて気持ちの良い場所です。町の方々もすごく親切で、レンタサイクルで走っているとすれ違う中学生が「こんにちは」と挨拶してくれたりします。GWには陶器市が開かれ全国から素敵な焼き物が集まるので、ぜひお出かけください。


◆「外国人の方の目線で見た日本は……」
~(株)ダイヤモンド・ビッグ社「GOOD LUCK TRIP」編集長 植木孝さん

── 訪日外国人向けのガイドブックと伺いましたが。

はい、「GOOD LUCK TRIP」は訪日外国人、特に東アジアの個人旅行者に向けた日本の旅行ガイドブックです。東アジアというと韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポールなどですね。最近はそういった地域から個人でいらっしゃる方が増えているので、どんなお店があるのか、どんな見どころがあるのか、電車がどうなっているのかなどの情報を伝えています。

フリーマガジンなので空港のインフォメーションセンターなどで配布されています。言語は英語と中国語と韓国語の3ヵ国語で、基本的に日本語は載っていません。ただしよく見ると「東京で温泉三昧」なんて日本語の見出しはあえて残しています。そのほうが外国人の方も現地でなんとなくわかりますから。

── どんな場所を紹介しているのですか?

3月に出た最新号(3月10日発行号)では東京の温泉を特集しました。東京にもいろんな温泉がありますが、今回は昔ながらの銭湯も含めています。銭湯らしい富士山の絵を見たいという外国人の方もけっこういらっしゃいますから。ただし外国人の方には銭湯の利用法も説明する必要があるので、料金の払い方やロッカーの使い方などを解説しています。

つけ麺ならどんな具が入っているのかを写真入りで解説しますし、おまんじゅうも中身がどうなっているのかを説明しないと、初めて食べる外国人の方は気になりますよね。私たち日本人が普段気にしないことでも、外国人の方からすればすごく興味深いんです。たとえばターンテーブル式の駐車場だって土地が狭い東京で考え出されたシステムらしく、外国人の皆さんは興味津々で見ています。

── 海外の方に人気の場所といえば?

最近は東北がすごく人気で、特に青森に行きたいという方がたくさんいらっしゃいます。青森には独特の文化やお祭りがあり、冬は雪景色が楽しめる。そんな体験したことのない非日常を求める方たちがすごく増えているんです。北陸、山陰、四国など、地方にすごく目が向いている印象です。

台湾で「日本に行きたい」という方とお話する機会があったのですが、行きたい場所に瀬戸内海の小さな島を挙げるなど、私たち日本人よりも詳しいのに驚かされました。「どう思いますか?」と聞かれて「うーん、素晴らしいと思います!」としか答えられませんでしたが(笑)。日本は地域によって、それと季節によって風景がまるで違うので、そんなところを外国人の方々に楽しんでいただければと思います。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」4月8日放送より)

最終更新:4/15(土) 11:30
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