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米の新品種 導入続々 高価格帯で需要つかめ

日本農業新聞 4/15(土) 7:00配信

 「金色(こんじき)の風」「新之助」「くまさんの輝き」――。米の主産地が新品種の導入を強めている。良食味ブランドで県産米の認知度を上げ、競争が激しい高価格帯で消費者の需要をしっかりつかみたい考え。小売店の売り場での常時販売を目指す。2018年産からの米政策改革に備えた動きだ。農水省によると、米の名称を表示して流通するのに必要な「産地品種銘柄」の数は現在753。17年産では今後デビューするものを含め新たに41が加わる。

多収性、外食向けも

 東北では、岩手県が昨年秋に独特の硬さともっちり感が特長の「銀河のしずく」を、今秋には甘味が強く冷めても硬くなりにくい「金色の風」を相次いで投入する。県は「県独自の良食味品種を2年続けて売り出し、産地力の高さを発信したい」(県産米戦略室)と意気込む。

 宮城県は、粘りの強さが売りの「だて正夢(まさゆめ)」を18年に本格デビューさせる。地元の戦国武将・伊達政宗を連想させる名称を冠し、「プレミアム米として日本の食卓の天下をとる」(食産業振興課)と強調する。

 北陸では「コシヒカリ偏重」を脱する動きがある。福井県はポスト「コシヒカリ」をにらんだ「越南291号」を18年産から本格導入する。「史上最高ブランド米」と食味の良さをアピールし、10万件以上の公募から来週にも名称を決める。

 石川県は粘りが強く大粒で食べ応えがある「ひゃくまん穀(ごく)」を17年産から、富山県は高温下でも良食味が期待できる「富富富(ふふふ)」を18年産から本格販売していく。

 トップ産地の新潟県は「コシヒカリ」と異なるあっさりとしたおいしさの「新之助」を、17年産に本格デビューさせる。初年度の生産量は6000トンで、価格は「県産の魚沼コシヒカリ並み」(農林水産部)と強気に設定する。

 熊本県は16年産で、粘りと光沢に優れた「くまさんの輝き」の試験販売に乗り出した。「将来的に2000~3000ヘクタールの作付けを目指す」(農産園芸課)。

 17年以降にデビューを予定する新品種には、こうした良食味の「高級路線」に加え、多収性で値頃感のある「中・外食向け」の米も目立つ。産地は需要の伸びが見込める業務市場も確実につかみ、売れる米作りを加速させる。

日本農業新聞

最終更新:4/15(土) 7:00

日本農業新聞