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[社説] セウォル号3周年、私たちにとって指導者とは何か

ハンギョレ新聞 4/15(土) 13:50配信

 親を亡くした子は3年間、朝夕に位牌に礼を尽くし、親孝行と報恩の思いを伝える。しかし、私たちは知っている。子どもに先立たれたた親に“忌み明け”とはあり得ないことを。2014年4月、沈んでいく船をなすすべもなく見ているしかなかった国民にとって、3年ぶりに浮上した船体は“希望”だった。しかし、私たちは知っている。遺体が見つかっていない行方不明者の家族や遺族にとっては、子どもたちがもがき苦しんだ“墓”であることを。その苦痛の真実を、余すところなく明らかにするまで、韓国社会はまだ忌み明けを語れない。

 2014年11月、家族が捜索終了に合意した後も、なかなか進まなかったセウォル号引き揚げ作業は、嘘のように瞬く間に終わった。海洋水産部は引き揚げ方式の決定と作業環境の厳しさが原因であると説明してきたが、正しい政党の劉承ミン(ユ・スンミン)大統領候補が先月明らかにしたように、その裏にはセウォル号の問題に触れることすら避けてきた政府があった。引き揚げの過程でも海洋水産部は船尾左側のランプを除去し、不要な穿孔をあけるなど、真実を明らかにできる主要な証拠物を毀損したという批判を受けている。政府と船体調査委員会は引き揚げの目標が、行方不明者の遺体捜索と共に、原因究明と船体の保存により、“あの日の教訓”を韓国社会に刻むことにあるという事実を肝に銘じ、作業に臨まなければならない。物理的な事故の原因究明だけではない。 朴槿恵(パク・クネ)前大統領は憲法裁判所の弾劾審判ですら「7時間疑惑」と関連し、全面否定した。セウォル号特別調査委員会を再構成してこの疑惑を徹底的に明らかにしない限り、セウォル号の総体的真実にはたどり着けないだろう。

 セウォル号は人々の国と社会に対する見方を変えた。作家のキム・エラン氏が「私たちが見たのが、今や私たちの視角になるだろう。セウォル号惨事は像として映し出されて消えてしまうのではなく、コンタクトレンズのようにそのまま両目に張り付いて世の中を見る視角、目そのものになり変わるだろう」(『盲目の者たちの国』)と、予言めいた言葉を残したように。政府・与党・右派のイデオロギー攻勢の中で、市民たちが胸の中に秘めてきた「国家とは何か、指導者はどうあるべきか」という質問は、ついに昨年のろうそく集会を通じて広場で噴出した。朴槿恵の退陣と弊害清算のスローガンと共に、人々はセウォル号の真相究明を叫んだ。檀園高生徒の遺族らは、惨事から3年目でようやく大統領府に最も近い青雲・孝子洞住民センターまで、今度は遺族だけではなく、市民たちと共にろうそくを灯して行進した。

 このようにろうそくの力で実現された大統領選挙が、いざ本格化してからはろうそくの議題が薄れ、保守の議題だけが相対的に浮き彫りになっている状況は、憂慮せざるを得ない。15日、光化門(クァンファムン)広場で開かれるセウォル号3周年第22回汎国民行動の日に、主催側はセウォル号行方不明者の遺体捜索と調査、真相究明と責任者処罰を訴える一方で、ろうそくによる大統領選挙にふさわしくない、候補たちの後退した姿勢を強く批判すると予告した。

 「真の国家指導者は、危機の瞬間に状況を迅速に把握し、状況に合わせて対処することで、被害を最小化すると共に、被害者及びその家族らと痛みを分かち合い、国民に闇はやがて明けるという希望を与えなければならない」(憲法裁判所の大統領弾劾決定文の中のキム・イス、イ・ジンソン裁判官の補足意見)。

 星になった子どもたちの前で、再び「指導者とはどうあるべきか」という質問を胸に刻む。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:4/15(土) 13:50

ハンギョレ新聞