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「白樺」宇奈月で復活 クラシック名盤所有の喫茶店

4/15(土) 21:40配信

北日本新聞

 ■ホテル黒部ロビーに

 黒部市宇奈月温泉のホテル黒部は、富山市総曲輪にあった喫茶店「白樺」が所有していたクラシック音楽の名盤をロビーでかけ、訪れた人に楽しんでもらうレコードコンサートを始めた。白樺創業者の長男で、同ホテルの中島勝己社長(75)が、かつての常連客の提案を受け、音色をよみがえらせた。ホテルでは白樺と同じコーヒーも出しており、中島社長は「往時の雰囲気を味わってほしい」と話している。(黒部支局長・室井秀峰)

 白樺は戦後間もない1946年、中島社長の父、故正雄さんが現在の総曲輪フェリオが立っている場所でオープン。「ツタヤ」「チェリオ」と共に「総曲輪喫茶御三家」と呼ばれた。大量のLP盤がそろう店は、クラシックを聴きながら、こだわりのブレンドコーヒーを楽しもうという人でにぎわった。

 正雄さんがホテル黒部を開業した後は、中島社長の弟の故昭さんが店を継いだが、昭さんが体調を崩したことから、フェリオ開店を機に閉店。中島社長がレコード約500枚を引き取った。

 白樺復活は、同店をよく訪れていた宇奈月温泉自治振興会の河田稔会長(73)が提案し、中島社長が4年前から準備を進めてきた。高校の音楽教師だった知人の堂本宗利さん(78)=入善町青島=が、レコードを1枚ずつ洗ってほこりを取り除き、さらに専門業者が約30枚をクリーニングした。約30畳のロビーでの鑑賞に適したプレーヤーやスピーカーなどの音響機器もそろえた。

 今年3月下旬、河田会長や黒部市内のクラシック音楽愛好家らが同ホテルに集まり、ベートーベンのバイオリンソナタ第5番やモーツァルトの交響曲第40番などの名盤を、コーヒーを味わいながら聴いた。ロビーからは黒部峡谷を眺められるため、出席者から「桜や新緑の時季に、聴く機会を設けてはどうか」などの意見が出た。

 今後はレコードのクリーニングを進め、年に2、3回のペースで、コンサートを開催しようと考えている。中島社長は「当時の白樺やLP盤の良さを知る人に、宇奈月の景観と共に楽しんでもらいたい」と話している。問い合わせは同ホテル、電話0765(62)1331。

北日本新聞社

最終更新:4/15(土) 21:40
北日本新聞