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昭島署に眠る謎の金属球体 さまざまな臆測呼ぶも正体は…

産経新聞 4/16(日) 7:55配信

 警視庁昭島署(昭島市)に保管されている旧日本陸軍の航空施設跡地から発見された爆弾のような金属球体3個。詳細が分からず長らく処分に困っていたが、WEBサイト「産経ニュース」が報道したところ、産経新聞や昭島署に多数の情報が寄せられた。情報を集約した結果、昭島署は球体を「航空機の夜間離着陸用誘導灯」と認定。担当者は「こんなに早く詳細が判明すると思っていなかった。情報提供に感謝します」と話している。(三宅令)

 ■さまざまな臆測

 事の始まりは平成27年11月17日、昭島市中神町の工事現場。発見された直径約15~20センチの謎の金属球体3個が、昭島署に届けられた。ここは、かつて立川陸軍航空工廠や、米軍立川基地(キャンプ・フィンカム)など軍事施設の跡地だった。

 当初この金属球体は不発弾ではないかと思われていたが、調査をした自衛隊朝霞駐屯地は「不発弾ではない。詳細不明」と回答。内部から液体が入っているような音がするため「毒ガス」、芯があるため「軍用のランタン」などさまざまな臆測を呼んだ。

 昭島署によると、工事現場の土中から発見された物品は、危険物や文化財などに当てはまらず、土地の所有者や発見者が権利を放棄した場合、ごみとして処分される。しかし、詳細不明の物品では適用法令がなく、長らく「何ごみと(分別)して処分したらいいか分からない」(担当者)状態に陥っていた。

 ■報道で情報続々

 産経ニュースで2月、金属球体について記事化したところ、読者から多くの情報が寄せられた。

 「昭和20年、本土決戦が迫ったころ、川崎市溝口にあった東部第62部隊で、同じ形状のものを見たことがある。それは陶器製で内部には青酸化合物の液体が入っている『対戦車兵器』だった」「焼玉(やきだま)エンジンの焼玉部分だと思う。高齢の船舶整備士が詳しいのではないか」「ロケットやミサイルの推進用タンクの可能性がある。スペインやベトナムでも同型のものが発見されている」。中には戦前に立川陸軍航空工廠で実際に働いていた男性からの証言もあった。

 昭島署は情報を集約し、資料写真などを見比べた結果、金属球体を「ヴィンテージ・ロードフレア」や「ノーベルランプ」と呼ばれる「航空機の夜間離着陸用の誘導灯」と判断した。

 中に灯油を入れ、突起部分に火をつけて、滑走路上に等間隔に置いて使っていたという。球体なのは「離着陸に伴う風でバランスを崩さないようにするため」(情報提供者)。

 立川陸軍航空工廠には滑走路も併設されており、そこで使われていたと推察されるという。情報提供者には海上自衛隊のOBが多く、戦後の硫黄島で使ったという話もあった。

 昭島署担当者は「やっと詳細が分かって安心した」と話している。今後は、ごみとして処分されることが決まっている。

最終更新:4/16(日) 8:10

産経新聞