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【ZOOM東北 岩手発】「ハンドボールの聖地」に 花巻で6月、初の東アジアU-22選手権

産経新聞 4/16(日) 7:55配信

 岩手県花巻市の市総合体育館が国内で初めての「東アジアU-22ハンドボール選手権」(6月26日~7月2日)の会場に選ばれた。同市はこれを起爆剤に、本格的に東北地方の「ハンドボールの聖地」を目指すことになった。

 ■「運営能力」高く評価

 県中西部にある花巻市は人口約10万人。詩人で童話作家の宮沢賢治(1896~1933年)の生誕地だ。最近ではプロ野球の大谷翔平選手(日本ハム)や菊池雄星投手(西武)を輩出した花巻東高があり、野球ファンにはおなじみの街となった。

 だが、実は同市は県内でハンドボールが最も盛んな街。昭和42年の全国高校総体(インターハイ)で地元の県立花巻南高の女子が優勝を飾ったのがきっかけで、小、中、高、大学、一般の県大会の9割は市内で開催されるほどだ。

 市総合体育館は昨年の希望郷いわて国体ハンドボールの会場にもなり、経験豊富なスタッフの「すばらしい運営能力」(家永昌樹・日本ハンドボールリーグGM)が高く評価され、東アジア選手権の会場に決まった。

 ■多くの大会を誘致

 「ハンドボールを通じて地元に貢献できないか」

 花巻市ハンドボール協会は県協会とも連携、多くの大会を誘致してノウハウを蓄積してきた。3月開催の全国高校選抜大会を平成22年から3年連続で誘致することに成功した(23年は東日本大震災で中止)。

 震災が起きた23年も8月にインターハイ、11月に全日本学生選手権(インカレ)、25年は全国マスターズ大会、27年は8月に全国中学校大会、ジャパンオープン、そして28年10月のいわて国体が開かれた。

 さらに、国内最高峰の日本リーグは25年から毎シーズン、試合が開催されている。トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)が花巻で、大崎電気(埼玉県入間市)が花巻か盛岡でホームゲームを開催することになっているためで、上位チームがそろった27年は1日(3試合)で2300人の観衆が詰めかけた。

 ■市も地域振興に期待

 行政のバックアップも大きい。市は29年度当初予算に選手権への補助金300万円を計上し、市スポーツ振興課の職員2人を選手権担当に指名。日本ハンドボール協会を市と地元競技団体がサポートする態勢も整ってきた。

 上田東一市長は「国体のレガシーをつなげる大きな意義がある」とした上で、「東アジアに花巻市を発信できる。花巻市が『ハンドボールのメッカ』となることが地域振興につながる」と強い期待感を示す。花巻温泉をはじめ宿泊施設が整い、県内唯一の空港、新幹線の駅、高速道の結節点を持つアクセスの良さを生かそうというわけだ。

 市ハンドボール協会は9月、1チーム4人で手軽に楽しめる「ストリートハンドボール」の大会の開催も計画。一層の競技普及に取り組む。

 一方、海外に目を向ければ、スウェーデンのイエーテボリには世界から中高生を中心に800~1千チームが参加する大会がある。市協会の佐藤睦朗会長は「イエーテボリは人口約50万人。花巻市はその5分の1。アジアの100~200チームが参加する大会を開くのが夢」と話す。

 一線級を目指す若手選手の登竜門となっている東アジア選手権は男女ともに日本、韓国、中国、チャイニーズ・タイペイ、香港の5チームが出場することが決まった。聖地への第一歩が近づいてきた。(石田征広)

最終更新:4/16(日) 7:55

産経新聞