ここから本文です

折り紙マスターの味方はブロックチェーン、折り図の著作権を保護へ

4/16(日) 12:10配信

ZUU online

折り鶴を知らない人はほぼいないだろう。もちろん広く知られた折り紙の折り方の一つだが、最近ではそれもアートとして、その著作権の権利者をビットコインで守る仕組みが登場する可能性も出てきている。神谷哲史氏や森正氏、山本勝博氏といった折り紙の達人、折り紙マスターが活躍する中で、新しいビットコインの応用例にもなりそうだ。

■折り紙マスターを守るのはブロックチェーン?

特に最近では折り紙マスターが独自に、人気SF小説やアニメのキャラクターの折り方を造り出すといった創造的な側面が注目を浴びている。現在のところ、折り紙の作品自体が著作物かどうかはまだはっきりしていない。しかし折り方を示した「折り図」は内容によっては著作物になるといい、折り紙マスターのような創造性に富んだ折り方を示した折り図には、著作権が認められる可能性が高いといえる。

ただ、文化庁が整備している著作物の登録制度も一部では煩雑な手続きが必要で、登録に時間もかかるという。費用面でも3,000円から9,000円の登録免許税がかかることから、特に著作物が多数だと登録の負担も少なくない。

そこで、まだ一部ではあるが、ブロックチェーンのタイムスタンプ機能を使って、その「折り図」の著作権を保護する基盤の整備を構想する動きも見られている。

■ビットコインによる低コストの折り図登録基盤、約1.4円で申請を実現

現実にはすでに、この構想は実用化に向けた検証も進んでいる段階に差し掛かっている。

たとえば筑波大学情報工学研究科の研究チームが、折り図をビットコインに記録する実験を実施している。ビットコインの取引と折り図の情報を紐づけ、小額での取引をブロードキャストし、ブロックチェーンに記録された時点をタイムスタンプとして使用する方法が提案されている。

ビットコインを使ったこの折り図の著作権登録の仕組みのメリットは何といっても費用の低さと申請にかかる時間の短さだ。特に費用面では、10万分の1ビットコイン(約1.4円=3月9日時点)で済むなどその経済性も高い。

ほかにも、BlockaiやUproov、Ascribeなどのアプリは、著作物をブロックチェーン基盤に記録し、アーティストの権利保護を実現する構想を掲げている。アートの分野にもブロックチェーンがさらに浸透していく道はすでに敷かれているといえるのだ。

■データをビットコインアドレスに変換することでブロックチェーンへ記録

筑波大による今回の折り図のビットコインへの登録には、Proof of Existence(PoE)と呼ばれる、「OP_RETURN」スクリプトを用いて、データのハッシュ値をビットコインのブロックチェーンに書き込める仕組みを代替する方法を採用した。

もともとビットコインのPoEでは、最大でも40バイトまでのデータしか格納できず、例えば折り図のような大きなデータのタイムスタンプには使えないというデメリットもあった。

その中で、折り図をビットコインに登録するために公表された筑波大の研究チームの手法では、登録するデータを複数のビットコインのアドレスに分けて変換する仕組みとしている。例えば、1つ目のアドレスには、ブロックチェーンに記録する電子データの名前、2つ目には作者の名前、ほかにも折り図の電子ファイルそのものといった具合に、入力情報とビットコインアドレスを対応させる。

それぞれの情報は16進数へ変換した後に、「RIPEMD-160」でハッシュ値を計算し、Base58で入力情報をエンコードしビットコインアドレスに変換する。そのアドレスに小額の送金を行い、取引が記録された時点をタイムスタンプとして活用する手法で、折り図の情報をビットコインのブロックチェーン上に記録するアプローチだ。

■将来、個人の創作活動がより活発に?

著作権保護におけるブロックチェーン技術の活用はまだ初期段階といっていい状況だが、折り紙の「折り図」だけにとどまらず、個人がつくりだす画像や映像も手軽に保護されるようになれば、より創作活動に乗り出す人々が増えるかもしれない。(提供:MUFG Innovation Hub)

最終更新:4/16(日) 12:10
ZUU online