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ミャンマー新政権1年 経済改革進まず直接投資3割減 産業界不満

SankeiBiz 4/17(月) 8:15配信

 ミャンマーは、国民民主連盟(NLD)政権の発足から1年が経過した。同政権は、民主化の旗手として期待が高かったアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が率いるが、経済改革が期待ほど進まず、産業界からはさまざまな不満の声が上がっている。現地紙ミャンマー・タイムズなどが報じた。

 NLD政権は、2015年の総選挙で地滑り的な大勝利を収めて翌年3月に華々しく発足した。しかし、東南アジア各国に法律事務所を展開するDFDLのミャンマー担当者によると、新政権誕生から1年が経過した同国は「経済改革の勢いが落ち、市場の期待を大きく下回っている」状況だという。

 同担当者によると、こうした状況に対する産業界の不満は、国外からの直接投資(FDI)の減少に最も表れている。16年度(16年4月~17年3月)のFDI認可額は約70億ドル(約7603億円)で、前年度の95億ドルから3割近く減少した。

 投資家の決断を鈍らせている要因の一つに、NLD政権の実行力の欠如がある。政府や各省が高い目標や大きな計画を掲げながら、なかなか実行に至らず、投資家が不信感を募らせている格好だ。地場大手複合企業の幹部は「正直なところ、政府が(経済政策を)うまくやっているとは思わない。政府の投資機関と対話をしているが、言葉があっても行動が伴わないという印象しかない」ともらした。

 専門家はミャンマーで政策実行に時間を要する原因として(1)各省間の連携が弱い(2)ビジネスと関係する各省が既得権益を守り、ビジネスへの介入を続けている(3)各省のトップが7~8人による意思決定を望み、物事が決まらない-の3点を挙げた。そのうえで、政権が変わっても行政機構が手法を変えない限り、効率的な政策の実行は難しいとの見解を示した。

 また、ミャンマー国会で審議中の外国人労働者関連法案には、外国人労働者の24時間を超える移動について、事前の届け出を義務付ける項目が含まれている。DFDLは、この法案が成立すればビジネス旅行などの妨げとなり、産業界において重要な機動性が著しく阻害されることになると指摘した。

 ほかにも、依然として色濃く残る汚職体質や、中央銀行の機能不全など、NLD政権の経済課題を指摘する声が上がっている。政権を率いるスー・チー国家顧問兼外相は、経済面での指導力が問われる機会がますます増えていきそうだ。(シンガポール支局)

最終更新:4/17(月) 8:15

SankeiBiz