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<格安スマホ>iPhone SE投入で3万円商戦熾烈

毎日新聞 4/16(日) 9:30配信

 ワイモバイルとUQモバイルが3月から、iPhone SEの販売を開始した。iPhone好きが多い日本では、廉価ながら機能アップしたiPhone SEの投入はうれしい。ワイモバイルとUQの争いも一層激しいものになりそうだ。ケータイジャーナリストの石野純也さんがリポートする。【毎日新聞経済プレミア】

 iPhone SEは、アップルが2016年に発売した廉価モデル。ボディーは、過去に販売されたiPhone 5、5sのものをほぼそのまま使いながら、中央演算処理装置(CPU)やカメラなどの機能を、当時最新のiPhone 6s、6s Plusと同等にしたスマートフォンだ。

 廉価ながら、機能は最新モデルと遜色なく、ディスプレーのサイズが4型コンパクトなこともあって、片手での操作性を重視する利用者から、人気を博していた。

 ◇価格据え置きでストレージ容量アップ

 アップルは、3月にこのiPhone SEをアップグレードした。といっても、見た目や機能はそのままに、アプリや写真などを保存できるストレージの容量が上がっただけだ。

 これによってiPhone SEは、32ギガバイト(GB)版と128GB版に置き換えられ、これまでの16GB版、64GB版は廃止になっている。価格は据え置きで、アップルストアでは32GB版が4万4800円、128GB版が5万5800円で販売されている。

 同じ価格で、ストレージの容量が増えたという見方もでき、よりお得になったと言える。元々あった16GB版は、価格が安い半面、動画を撮ったり、映画を保存したりすると、すぐに容量が足りなくなってしまっていた。

 iPhone SEは性能が良いため、4K(3840×2160)の高解像度動画も撮影できる。これに内蔵するストレージが16GBというのは、少々アンバランスであったことも否めない。32GB版と128GB版の二つになり、より買いやすくなったことは確かだ。

 ◇iPhone 5sをSEにしてさらに顧客取り込み

 このiPhone SEを取り扱うことを表明したのが、格安スマホの市場で火花を散らす、ワイモバイルとUQモバイルだ。ワイモバイルはソフトバンク、UQモバイルはauのサブブランド。どちらも、これまで、iPhone 5sを販売しており、学生を中心にヒットしていた。大手キャリアーほどの比率ではないが、ワイモバイル、UQモバイルともに、iPhone 5sは販売数の3~4割を占めていると見られる。

 一方で、iPhone 5sが発売されたのは13年。すでに3年半以上経過しており、型落ち感が出ていた。機能も、最新モデルと比べるとどうしても見劣りしてしまう。ここに、iPhone SEが加わったインパクトは小さくないだろう。

 廉価版とはいえ、iPhone SEの価格は、売れ筋のSIMフリースマホと比べると、やや高いが、ワイモバイルとUQモバイルは、どちらも大手キャリアーのような割引を実施。24カ月使うと、32GB版でワイモバイルが2万5920円、UQモバイルが2万4100円で、3万円を下回る価格設定を打ち出してきた。

 格安スマホ市場での売れ筋となるSIMフリースマホは、3万円を下回るミドルレンジの端末と言われている。割引込みの場合だが、2社ともiPhone SEをこの価格に近づけており、ヒットが期待できる。

 ◇他の格安スマホ業者はアンドロイド頼み

 これは、他の格安スマホ事業者にとっても脅威になりそうだ。いわゆる格安スマホ事業者の中で、iPhoneを正式に取り扱っているのは、ワイモバイルとUQモバイルの2社のみ。この市場でシェアの高い、OCNモバイルワンやIIJミオ、楽天モバイルなども、iPhoneは発売しておらず、端末はアンドロイド頼みになっている。

 もちろん、これらの事業者でもアップルからSIMフリーのiPhoneを買えば、SIMカードだけ差して使うことができるが、利用者にとって手間がかかる上に、ワイモバイルやUQモバイルほどの割引が提供できていない。

 ただし、他の格安スマホ事業者は、通信費がワイモバイルやUQモバイルより安いという強みがあるので、端末が多少高くなっても、トータルでのコストはワイモバイルやUQモバイルよりも低く抑えられる。iPhoneを取り扱っていない格安スマホ事業者には、こうした点を、より強調するキャンペーンや宣伝が求められそうだ。

最終更新:4/16(日) 9:30

毎日新聞