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北軍事パレード 緊張を極大化 一触即発続く

産経新聞 4/16(日) 7:55配信

 北朝鮮は15日、軍事パレードにICBMとみられるミサイルなど新型兵器を総動員し、武力行使も辞さない構えのトランプ米政権に見せつけた。一方で「いつでも実施する」と公言した6回目の核実験には踏み切っていない。金正恩政権の狙いはどこにあるのか。

 15日の軍事パレードは、日米韓に向けた兵器の“総展示”の様相を呈した。米本土を標的にするICBMとみられるミサイルはもちろん、固体燃料を使い、移動式発射台から即発射が可能な「北極星2」は、いつでも沖縄の米軍基地を攻撃できると誇示した形だ。

 中距離のスカッドER(射程約千キロ)も登場。3月に日本海に4発発射したのもこのミサイルとみられ、狙った場所に同時発射できる技術は実証済みだ。

 朝鮮人民軍総参謀部は14日、声明で「日本本土や沖縄の米軍基地、米本土まで照準内にある」と警告したが、それを目に見える形で示す思惑がうかがえる。

 「全ての選択肢がテーブルにある」というトランプ大統領の向こうを張り、崔竜海朝鮮労働党副委員長は演説で「われわれ式の全ての選択案を持っている」と強調した。一方で「わが国は平和を愛する」とも言及。14日の声明でも「米国が問題解決の正しい選択をすべきだ」と水を向けており、「一触即発の危険な局面」を作った責任はトランプ政権にあり、「米国が先に引き、対話に応じよ」との本音もにじませている。

 豊渓里の核実験場では、米衛星の監視を承知の上で核実験準備の動きを見せつけてきた。北朝鮮外務次官は14日、最高指導部の決断次第で核実験を実施するとも断言した。緊張のレベルを目いっぱい引き上げ、優位に交渉に持ち込もうとするのは、金正日(キム・ジョンイル)総書記以来の北朝鮮の常套(じょうとう)手段だ。

 しかし、核開発は政権維持の柱でもあり、金正恩政権は、外交的動きを無視するように核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返してきた。今回も核実験に踏み切る可能性は依然高く、トランプ政権との致命的な衝突を招きかねない危険な状況が続いている。(ソウル 桜井紀雄)

最終更新:4/16(日) 7:55

産経新聞