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ハーグ条約発効3年 甘い対応、日本に批判 「連れ去り勝ち」転換を

産経新聞 4/16(日) 7:55配信

 一方の親による子供の連れ去りをめぐり、日本の予防・解決態勢の不備を指摘する声が国内外で強まっている。今国会では「現状のままでは連れ去りがなくならない」との危惧が提起されたほか、海外では対日制裁を求める声も上がっている。ハーグ条約への加盟から3年を迎えた中、日本の対応に注目が集まっている。 (小野田雄一)

 「日本はハーグ条約に加盟しながら、国内は“連れ去った者勝ち”の状態だ」「米国が、子供の返還に応じない国への制裁を定めたゴールドマン法に基づき、対日制裁する恐れもある」

 日本維新の会の松浪健太衆院議員は、今国会の衆院予算委員会などでこう指摘。親権紛争に際し、子供を連れ去った側の親が親権を得やすい現状を改める考えがあるか政府に質問した。

 安倍晋三首相は「親権は個別事情を総合考慮して決定されている」、岸田文雄外相も「制裁は前例がなく可能性は低い」と答えた。

 松浪氏は「日本は親権の決定基準として『継続性の原則』(連れ去りの結果であっても、子供の現在の成育環境の維持を尊重する考え方)を過剰に重視してきた。その結果、連れ去りがなくならない事実を認識すべきだ」と注文した。

 3月22日には子供を連れ去られた親でつくる団体が国に対策を要望。男性メンバーは「連れ去りは誘拐・児童虐待だ。海外では刑事罰対象だが、日本では家庭問題とされ、ほぼ摘発されない。摘発して連れ去りをなくすべきだ」と話した。

 海外では6日、米下院外交委員会の公聴会で、日本など各国に子供を連れ去られた米国人が証言した。冒頭に議長が岸田外相の発言を「無礼だ」とし、「政府は対日制裁すべきだ」と指摘する場面もあった。

 日本女性に子供4人を連れ去られた男性は「日本は子供を返さない。ハーグ条約違反だ」と訴えた。男性によると、大阪高裁は2月、「男性は養育する資力が不十分だ」として子供を返還しないと決定。男性は最高裁まで争う姿勢だ。

 イタリアでも今年、最大手紙を含む複数紙が、日本に子供を連れ去られたイタリア人男性の記事を掲載。反響を呼び、日本への反発が高まっているという。

 一方、外務省ハーグ条約室は「条約は子供を返還しない場合を認めている。条約違反との指摘は遺憾だ。日本の姿勢や実績が各国に比べ劣っているとは考えていない」と説明している。

最終更新:4/16(日) 8:03

産経新聞