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多選批判もなんのその 7選出馬の橋本昌知事の皮算用 「4期目安」明言していたのに…

産経新聞 4/16(日) 9:00配信

 任期満了(9月25日)に伴う茨城県知事選に立候補を表明した現職の橋本昌(まさる)知事(71)=当選6回=に対し、元経済産業省職員の大井川和彦氏(53)を擁立する自民党茨城県連が「多選」批判を強めている。仮に橋本氏が当選すれば7選。現役知事では最多選となる。批判を覚悟してまで出馬を決断した理由は何だったのか-。

 歴代知事の最多当選は8選で、奈良県知事を務めた奥田良三氏(昭和26年4月30日~同55年9月30日)、石川県知事だった中西陽一氏(昭和38年2月20日~平成6年2月2日)の2人がいる。7選では京都府知事だった蜷川虎三氏(昭和25年4月20日~同53年4月15日)がおり、橋本氏が知事選で当選すれば、これに並ぶことになる。

 知事の在任期間が長期になれば、権力が集中し、政策や人事に弊害が生じやすいという指摘がある。

 「その権力にしがみつく気持ちが理解できない」

 自民党県連の海野透会長代行は産経新聞の取材に対し、橋本氏の出馬表明を厳しく批判した。

 橋本氏は5日の記者会見で、自民党県連側の批判を念頭に、「長く(知事を)やっているのは事件、事故を起こしていないからだ。逆に早く辞めている人の方が事件を起こしている人が多い。その時点で有権者が判断してくれれば良い」と多選による弊害を否定。有権者の判断に従うのが筋だと強調した。

 ただ、知事選では、橋本氏の多選が争点の一つとなるのは確実で、橋本氏自身もその批判に直面することになる。それでも7選にこだわったのはなぜか。

 茨城県では、平成30年に世界湖沼会議、翌31年に茨城国体・全国障害者スポーツ大会、翌32年に東京五輪・パラリンピックを迎える。特に茨城国体は、23年7月に自ら誘致し、2020年東京五輪に向けては県立カシマサッカースタジアム(鹿嶋市)がサッカー会場の追加候補となっている。

 橋本氏は「国体という大事業は県を挙げて取り組むものだ。準備に携わった者として成し遂げたい」と率直に述べている。県幹部も「自ら招致した国体を、自らの手で成功させたいはずだ」と指摘する。

 橋本氏は平成5年の知事選で初当選を果たした。すでに橋本県政は24年に及ぶ。橋本氏が初めて知事選に臨んだ5年9月22日付の産経新聞茨城県版に知事選候補者を対象にしたアンケートが掲載されている。「適正な知事任期とその理由」の質問に、橋本氏は「4年ごとに審判を受けるので、何期以上はいけないとは考えない。ただ、長期の権力集中は好ましくない。4期が目安」と答えている。

 橋本氏は5年の知事選で自民党の元県議、山口武平氏や梶山静六元官房長官らの支援を受けてきた。ただ、同党は選挙対策要綱で3期連続で務めた知事を公認・推薦しないと定めている。自民党県連は4期目は政策協定を結んで支持したが、5期目に立候補した橋本氏に対抗馬を立てた。

 だが、それでも橋本氏はこの知事選に勝ち、県連会長だった山口氏らが責任を取って退陣した。前回の25年の知事選では独自候補すら立てられなかった。

 橋本氏が「4期が目安」とアンケートに答えたのも、自民党との関係を当時は重視していたからだろうか。それとも、本心からそう思い、ここまで長きにわたって知事の座にいるとは思っていなかったのだろうか。いずれにせよ、自民党の体たらくが橋本氏の多選を許しているのは間違いない。(水戸支局次長 峯匡孝)

最終更新:4/16(日) 9:00

産経新聞