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十和田湖観光、再生なるか 遊覧船運航スタート

デーリー東北新聞社 4/16(日) 11:40配信

 十和田八幡平国立公園の十和田湖で15日、観光シーズンの幕開けを告げる遊覧船の運航がスタートした。東日本大震災以降、観光客の入り込みが低迷する湖畔。国の「国立公園満喫プロジェクト」による受け入れ態勢の整備が本年度から始まるのを追い風に、観光再生の“船出”となるのか。運航開始の式典に臨んだ関係者は「一致団結してチャンスをつかもう」と気勢を上げた。

 十和田湖観光の顔である遊覧船は、昨年から十和田観光電鉄による1社だけの運航態勢となった。十鉄によると、昨年の利用者は約11万4千人で、2社態勢だった15年の合計約13万7700人を下回った。

 遊覧船が発着する休屋地区では近年、店舗の休廃業が相次ぎ、景観の悪化が深刻化。冬季にはJR八戸、青森両駅と湖畔を結ぶ路線バスが運休するなど、アクセス面の課題も抱える。

 一方で明るい兆しも。十鉄によると、昨年の遊覧船利用者のうち約1万2400人が台湾などアジアを中心とした外国人観光客で、15年に比べて約3割増加しているという。

 さらなる外国人の誘客に向け、国は昨年、同プロジェクトのモデル地区に、同公園を含む全国8カ所を選定。休屋地区では廃屋の撤去を進め、「湖が見える公園」にするほか、Wi―Fi(ワイファイ)や多言語案内板を整備する計画だ。地元観光関係者は「これが再生への最後のチャンス。プロジェクトを活用して国内外の観光客を取り込みたい」と意気込む。

 十和田市もプロジェクトに関連し、外国人への対応セミナーや外国語の観光パンフレット作製などを本年度予算に計上。市観光商工部の本宿貴一部長は「観光資源の魅力は申し分ない。観光客が欲しい情報を伝え、満足してもらえる場所にしたい」と話す。

 雨が降るあいにくの空模様となった運航初日。十鉄は双胴船「第三八甲田」内でセレモニーを開催した。白石鉄右エ門代表は「従来の誘客方法に固執せず、(プロジェクトの)流れに乗っていきたい」と決意を強調。十和田湖国立公園協会の中村秀行理事長は「湖畔全体で盛り上げ、魅力あふれる観光地にしていく」と力を込めた。

 同船は観光客や地元住民らを乗せて休屋を出発し、約50分かけて湖内を周遊した。タイから初めて訪れたという60代の女性は「どの角度から眺めても自然が美しい。次回は長く滞在して湖畔を楽しみたい」と満足した様子だった。

デーリー東北新聞社

最終更新:4/16(日) 12:48

デーリー東北新聞社