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廃線のディーゼルカー10年ぶり復活、その意外な理由 神岡鉄道「おくひだ1号」

4/16(日) 17:43配信

乗りものニュース

囲炉裏風の列車、およそ10年ぶりに走行

 2017年4月8日(土)、旧・神岡鉄道の奥飛騨温泉口駅(岐阜県飛騨市)で「ロストラインフェスティバル」が開催されました。神岡鉄道は旧・国鉄神岡線を引き継いだ第三セクター鉄道として1984(昭和59)年に発足し、2006(平成18)年に廃止されました。現在は、NPO法人「神岡・町づくりネットワーク」が、廃線跡の線路を使って走るレールマウンテンバイク「ガッタンゴー」を運営し、観光客に人気となっています。

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「ロストラインフェスティバル」は「ガッタンゴー」の今シーズンの営業開始を記念して開催されました。メインイベントは神岡鉄道の現役時代に活躍したディーゼルカーの復活運転でした。神岡鉄道が保有していた2両のディーゼルカー、KM-100形、KM-150形と、ディーゼル機関車KMDD13形は、廃止時に神岡鉱山前駅(岐阜県飛騨市)構内の車庫に保管されました。

 2両のディーゼルカーは保存状態が良く、このたび2両とも走行可能な状態に修復。塗装も施されてピカピカになりました。このうち、KM-100形「おくひだ1号」が「ただいま」と書いた飾りをつけて、神岡鉱山前駅から2.9km先の奥飛騨温泉口駅まで運行されました。大勢の来場者が「おかえりなさい!」と書かれた小旗を振り、神岡中学校のブラスバンド部が神岡鉄道現役時代に作曲されたテーマ曲「手作りの汽車に乗って」を演奏し、くす玉が割られて歓迎式典が開催されました。

 式典のあとは試乗体験会として、奥飛騨温泉口~神岡大橋間の片道800mを5往復しました。筆者(杉山淳一:鉄道ライター)は第1便に乗り喜ぶ人々を見送り、第2便に乗車しました。「おくひだ1号」はゆっくりと進みます。車内では現役時代を懐かしむ人々や、初めての体験を楽しむ子どもたちの歓声があがりました。窓が開く列車もいまでは貴重となりました。

 そしてなんといっても、KM-100形とKM-150形の特徴は、囲炉裏風のボックスシートです。ここに座る人たちも隣同士で会話が弾みます。

 沿線では全国から集まった鉄道ファンがカメラを向けていました。「おくひだ1号」は安全運行のため全行程を徐行します。それが期せずしてシャッターチャンスを増やし、サービス向上につながったようです。

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