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九戸城をVR技術で“再現” 二戸市と岩手県立大

デーリー東北新聞社 4/16(日) 14:00配信

 岩手県二戸市を代表する国指定史跡・九戸城跡の誘客促進に向け、市と岩手県立大(滝沢市)は、現存していない九戸城や当時の暮らしなどを、バーチャルリアリティー(VR)技術で体感できるCG映像の共同開発を進めている。九戸城に関しては史料がほとんど残っていないため、時代背景を基に城郭や街並みを“再現”。連動したスマートフォンやタブレット端末を使用すれば、400年前の様子を360度見渡せる。今夏から試験的に導入する。

 九戸城は、1492~1501年ごろ、周辺を治めていた九戸氏によって築城された。1591年には、戦国武将・九戸政実が5千の兵と共に城に立てこもった「九戸の乱」が起こり、6万ともいわれる豊臣軍を迎え撃った。その後、「福岡城」として改修され、現存する石垣や地形は福岡城時代のものとされている。福岡城は1636年に廃城。

 CG映像の制作は昨年7月、市と同大ソフトウェア情報学部による地域協働研究としてスタートした。設計図がないことから、現地視察や歴史的考察を重ねてイメージ図を作成。地形に沿って、まずは福岡城当時の街並みから再現する予定で、その後、九戸城や九戸の乱の合戦シーンなどもVR上で復活させる。

 城跡内では携帯端末を活用したVR体験ができるほか、九戸城エントランス広場内のボランティアガイドハウスでは、専用のゴーグルを着けて体験するコーナーを設ける。

 ハウスでは3日、途中経過の報告会があり、関係者らが一足先にVRを体感した。ガイドを務める町田美津枝さん(72)は「これまでとは違う歴史体験を楽しめる。ガイドで説明できない部分を補えるのでは」と期待する。

 同大のプリマ・オキ・ディッキ准教授は「当時の風景に近づけるため、今後も城郭や馬小屋の位置なども研究していきたい」と意気込み、「誰も見たことのない九戸城を可視化することで、二戸の観光振興に向けた新たな素材として活用してほしい」と話した。

 ■九戸城跡とは 1935年に国の史跡に指定され、今月6日には九戸城が日本城郭協会の「続日本100名城」にも選ばれた。九戸の乱は、豊臣氏の天下統一へ向けた最後の戦いとして語り継がれており、城跡からは火縄銃の弾丸や焼けた生活用品などが出土。豊臣氏の指示で福岡城に改修されたが、現在も九戸城跡と呼ばれる。100年以上にわたって地域を治めた九戸氏に対する強い思い入れがあるためとされている。

九戸城をVR技術で“再現” 二戸市と岩手県立大

最終更新:4/16(日) 14:00

デーリー東北新聞社