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なぜ今「威光価格」が注目されるのか。30万円の高級ウォークマンが売れる理由

4/16(日) 15:27配信

ニュースイッチ

成熟市場で価格創造商品の時代に

 一般に企業が製品価格を決めるときは、製造コストなど費用や製品の需要を考慮して決定する。

 企業側の決定に加え、消費者心理を考慮した価格決定として、「端数価格」「威光価格」「慣習価格」があり、こうした価格は「心理的価格」と呼ばれている。

 端数価格とは500円、1000円といった切りの良い数字より、498円、980円など端数の価格にすることで割安感を出す方法。

 端数価格は食品や雑貨などの日用品に加えてサービス等でも頻繁に用いられる価格戦略である。

 威光価格とは製品やサービスの質やそれを消費することによるステータスの高さを消費者に感じさせることができる価格である。

 例えば、高級ファッションブランドによる装飾品などの場合、購入頻度が低く、品質やその効果を判断しにくいため、高級感を演出するために意図的に付けられた価格である。

 慣習価格とはいくつかの製品には長期にわたり一定の価格に維持されているものがある。そうした製品の価格を慣習価格という。

 典型例としては、自動販売機の缶ジュースがある。メーカー、種類に関わらず同じ価格に設定されている。

 心理的価格で今、注目を集めているのが威光価格戦略である。2016年10月発売の1台29万9880円のソニーの超高級ウォークマン。

 オーディオマニアが驚く付加価値を惜しみなく搭載した、普及機の約20倍という超高額商品が当初の予測を上回る販売ペースが続いている。

 パナソニックは14年10月から超高級美容家電を限定販売している。イオンの力でビタミンCを浸透させる美顔器が4万円、ダブルミネラルを髪に与えるヘアードライヤーが3万円。10年ほど前から美容家電に力を入れてきた「ビューテイプレミアムシリーズ」は、従来機種に比べ大幅な価格引き上げとなる。

 成熟市場では中途半端な値段を付けるのでなく、常識価格を大きく上回る値段を設定し、消費者が驚く付加価値を乗せた、価格創造商品の時代に入った。

 デフレ下の低価格志向と決別し、作りたいモノを作り、売りたい値段で売る路線転換を評価する向きは多い。

 今、大胆な価格戦略の見直しが求められている。

上野延城(日本経営士会)

最終更新:4/16(日) 15:27
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