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京急線踏切死亡事故 救出試み巻き添えか

4/16(日) 7:09配信

カナロコ by 神奈川新聞

 15日午前9時10分ごろ、川崎市川崎区池田1丁目の京急線「京急川崎第1踏切」(遮断機、警報器付き)で、男性2人が京成高砂発三崎口行き下り快速特急電車(8両編成)にひかれ、死亡した。川崎署は目撃情報などから、踏切内にいた男性を、もう1人の男性が救出しようとしてひかれたとみて、事故の詳しい状況を調べている。

 また、所持品から、最初に踏切内にいた男性は70代、もう1人を50代とみて身元の確認を進めている。

 同署が目撃情報や踏切の監視カメラの映像を調べたところ、最初の男性が踏切を渡ろうと中に入った後、遮断機が下りた。後ろにいたもう1人の男性が遮断機の外から声を掛けた後、踏切に入り、相手の腰の辺りに手を回して助けようとしていたとみられるという。

 同署の調べに対し、運転士は「当時、110キロ以上の速度が出ていた。50メートルほど手前で発見し、ブレーキをかけて警笛を鳴らしたが、間に合わなかった」と証言している。

 京急電鉄によると、踏切には運転士に危険を知らせる非常停止ボタンがあったが、使われてはいなかったという。

 現場の踏切は京急線八丁畷駅に隣接。京急によると、上下線計28本が約1時間にわたって運転を見合わせ、約8200人に影響した。

◆「優しさ」痛ましい
 八丁畷駅は京急線とJR南武線が接続しており、周辺には住宅やマンションなどが立ち並ぶ。現場となった踏切は人や車の往来が激しい一方、通過する電車の本数が多いため、付近の住民からは「横断する際は注意が必要」との声も上がる。

 「電車が大きな警笛を鳴らしっぱなしにして近づいてきた後、『ボーン』とぶつかったような音がした」。踏切近くで交通整理をしていた男性(73)は事故発生時の状況を振り返る。

 川崎署によると、目撃者の1人は「後から踏切に入った男性が、踏切内に立ち往生していた男性を抱きかかえようとしているところに電車が来た」と話している。

 駅前で精肉店を営む男性(68)は「助けようとして亡くなったなら痛ましい。優しくなければできないことだ」と悼んだ。

 日ごろ犬の散歩でよく踏切を渡る60代の主婦は「この踏切は人や車の通行が多い。でも、電車の本数も多いから、無理に渡ろうとする人もいた」と危険性を感じていたという。