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東京五輪より女子野球世界一を選んだ、元ハンドボール日本代表女子の決意

スポーツ報知 4/17(月) 11:02配信

 第18回全国高校女子硬式野球選抜大会(報知新聞社後援)で準優勝した埼玉栄の小野あゆみ(2年)は、中学時代にハンドボール部に所属し、U―16日本代表に選ばれた異色の経歴を持つ。2020年東京五輪出場も期待されていたが、女子野球での世界一を目指していく。

 右手を高々と上げる独特のテイクバック。小野の投球フォームは、ハンドボールでシュートを狙うフォームに映る。それも当然か。相模原市立緑が丘中時代は、ハンドボールU―16日本代表に選ばれたホープだった。小学校では兄の影響を受けて地元の少年野球チームでプレー。中学でも野球を続けるつもりが、男子の中でのプレーに抵抗を感じハンドボール部へ。練習試合でU―16日本代表の尾石智洋監督(現日本協会育成部長)の目に留まって代表入りした。「すごい選手でした。シュートのスピードが尋常ではなかった。投力、走力、跳力と身体能力が高かった」と尾石氏は振り返る。

 当時、身長171センチのポストプレーヤー。東京五輪へ向けた逸材が高校進学時に選んだのは、何と野球だった。ハンドボールを続けるようにとの家族、周囲の説得や強豪高校の誘いを全て断った。「夢がマドンナジャパンだったんです」。侍ジャパン女子代表入りを目指し、自ら女子硬式野球部のある高校を調べて埼玉栄を選択。尾石氏は言う。「五輪か野球か。本人はすごく悩んでいましたけれど、野球を選んだのです」

 中学時代は遊びでキャッチボールをする程度だったが、高校入学後は身体能力の高さを生かしメンバー入り。上体に頼る投げ方も下半身を使うよう矯正した。全国大会初登板となった準決勝の福知山成美戦で先発し、威力のある直球を投げ込んだ。許したのは三塁前へのバント安打、三遊間へのゴロの内野安打のみ。「何でよかったのか分かりません」と首をかしげながらも、初完投初完封を全国大会で飾ったのは能力の高さの証明だ。登板しない時は三塁で軽快なフットワーク、強肩を生かした守備をみせ、打ってはクリーンアップ。多くの日本代表を育てた齊藤賢明監督も「今まで見てきた中で一番の選手」と高い評価を送れば、尾石氏も「野球で頑張ってほしい」と励ました。

 「野球は楽しいです。ハンドボールに戻る気はありません」。ゴールよりも三振。五輪よりも女子野球世界一を。小野は白球で高みを目指していく。(秋本 正己)

 ◆小野 あゆみ(おの・あゆみ)2000年8月10日、神奈川県生まれ。16歳。小学校で野球を始め、地元のチーム並木ヤンキースでプレー。神奈川県相模原市立緑が丘中ではハンドボール部に所属。埼玉栄入学後、野球を再開した。目標の選手は高校の先輩で日本代表にも入った投手の清水美佑(現早大)。身長174センチ、右投右打。

最終更新:4/17(月) 11:02

スポーツ報知