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トルコで改憲国民投票=大統領権限強化の是非問う―賛成派、僅差でリード

時事通信 4/17(月) 0:34配信

 【エルサレム時事】トルコで16日、大統領権限を強化する憲法改正の賛否を問う国民投票が行われた。

 18項目にわたる改憲案が成立すれば、現行の議院内閣制から、エルドアン大統領の悲願である大統領に権力を集中させた「トルコ型大統領制」に移行する。ただ、是非をめぐり世論は二分され、欧州とも摩擦が生じている。賛成派の思惑通り政治・経済の安定をもたらすことができるかどうかは不透明だ。

 アナトリア通信によると、開票率約90%の段階で、賛成票が約52%、反対票が約48%で、賛成派がリードしているが、接戦となっている。大勢判明は16日夜(日本時間17日未明)になる見通しだ。

 改憲の柱は、儀礼的立場である大統領への行政権の集中。エルドアン政権は、これにより迅速な意思決定が可能となり、国家の安定の維持とさらなる経済発展が期待できると訴える。

 これに対し改憲反対勢力は、民主主義が逆行し、世俗派やクルド人など反政府派への弾圧が強化され、「トルコの抱える構造的問題がさらに深刻化する」(中道左派野党・共和人民党)と懸念している。

 直前の世論調査によれば、賛成派と反対派はほぼ拮抗(きっこう)。投票態度未定者の多くは、エルドアン大統領の支持基盤であるイスラム系与党・公正発展党(AKP)と、極右野党・民族主義者行動党(MHP)の支持者だ。与党支持者の間でも、大統領による強権支配の確立につながりかねないと警戒する空気があることをうかがわせる。

 投票結果は、欧州との関係にも影響を及ぼす可能性がある。エルドアン大統領は既に、賛成派の集会の開催を禁じたドイツやオランダを念頭に、「欧州は代償を払うことになる」と強硬姿勢を鮮明にしている。欧州連合(EU)への加盟条件を満たすために廃止した死刑制度の復活や、EUと結んだ難民送還合意の破棄をちらつかせており、結果次第でトルコと欧州の溝が深まる恐れがある。

 一方、反対派が勝利した場合は、内政の混乱を招く可能性が高い。専門家の間では、エルドアン大統領は「強い大統領制」導入を諦めず、「早期の議会解散と総選挙を視野に入れている」との見方が強い。

 当局は警官約40万人を動員して厳戒態勢を敷いた。トルコのメディアによれば、クルド人が多く住む南東部ディヤルバクルの投票所で、市民同士の間で銃撃戦があり、3人が死亡した。 

最終更新:4/17(月) 6:52

時事通信