ここから本文です

マスタリングの名匠、トム・コインが亡くなる 62歳

4/17(月) 21:40配信

bmr.jp

マスタリングの名匠、トム・コインが亡くなる 62歳

マスタリングの名匠、トム・コインが亡くなる 62歳

今年2月の第59回グラミー賞のレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞したアデル“Hello”を始め、これまで関わった作品は6度グラミーに輝いた伝説的マスタリング・エンジニア、トム・コインが今月12日に亡くなったことが発表された。62歳だった。

音源制作の最後の工程となる「マスタリング」は、曲によってバラついた音量・音圧を調整したり、曲間の調整などによって世界観や流れを統一する役割などを担う。1970年代から活躍しているトム・コインはその中でも名匠と讃えられるひとりで、ヒップホップ~R&B系を中心に数えきれないほどのヒット作に関わってきたマスタリング・エンジニア。特にThe Hit Factory在籍期のおよそ5年間に、ア・トライブ・コールド・クエストのデビュー・アルバム『People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』、『The Low End Theory』を始め、DJジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンス『Homebase』、ピート・ロック&CL・スムース『All Souled Out』、デ・ラ・ソウル『De La Soul Is Dead』、ソウルズ・オブ・ミスチーフ『93 'Til Infinity』、ザ・ルーツ『Do You Want More?!!!??!』など数々のヒップホップ名作に“磨き”をかけたことで知られる。

Sterling Soundに移って以降も、ザ・ルーツ『Illadelph Halflife』、ア・トライブ・コールド・クエスト『Beats, Rhymes and Life』、『The Love Movement』、ナズ『It Was Written』、コモン『One Day It'll All Make Sense』、マックスウェル『Maxwell's Urban Hang Suite』、ディアンジェロ『Voodoo』など数々の名作を手がけている。そのトム・コインのマスタリング技術は近年も世界各国から求められており、アデル『21』、『25』、ビヨンセ『Dangerously In Love』、『I Am...Sasha Fierce』、『BEYONCE』、テイラー・スウィフト『Red』、『1989』、サム・スミス『In The Lonely Hour』、ブルーノ・マーズ『24K Magic』、ザ・ウィークエンド『Starboy』といった世界的な大ヒット作から、宇多田ヒカル、安室奈美恵など邦楽作品も数多く手がけてきた。レコード・オブ・ザ・イヤーに輝いたアデルの“Hello”や、マーク・ロンソンとブルーノ・マーズの“Uptown Funk”、サム・スミスの“Stay With Me”を始め、彼がマスタリングを手がけた作品はこれまで6度グラミー賞に輝いている。

その名匠が、米時間で4月12日に亡くなったことが報じられた。後日、Sterling Soundの社長ムラット・アクタールが正式に発表し、血液のがんである多発性骨髄腫に罹っていたとのこと。2012年12月、中国で〈Asian Music Awards〉に出席した帰路で体調を崩し、多発性骨髄腫であることが明らかになったという。その後、世界的なエキスパートを迎えて治療にあたり、闘病生活を続けながらエンジニアの仕事も変わらず務めていたようだ。クリス・ブラウン“Privacy”やストームジー『Gang Signs & Prayer』、ロード“Green Light”、ケイティ・ペリー“Chained To The Rhythm”など今年発表されたばかりの作品も多数手がけている。週末にはゴルフを楽しむなど体調はしばらくよかったようだが、しかしアデルの“Hello”が受賞した今年2月のグラミー賞の翌朝に会ったときは、喜んではいたものの体調を崩していた様子だったという。そして4月12日、地元ニュージャージー州のモリスタウンの自宅で亡くなった。62歳だった。

最終更新:4/17(月) 21:40
bmr.jp