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一振りで試合を決める G阿部はチーム内“求心力”も再上昇

日刊ゲンダイDIGITAL 4/17(月) 12:21配信

 息詰まる投手戦に風穴をあけたのは、やはりこの男だった。16日の中日戦の七回だ。二塁打で出塁した坂本を二塁に置いて、4番の阿部慎之助(38)が右前に先制の適時打。カウント3-2になるまで一度もスイングをせず、まさに一振りで試合を決めた。

「さすが、ですね。1球に勝負をかけたように見えた。そういう中で、きっちりと反応して前にはじき返すという技術。さすがだと思います」とは、試合後の高橋監督。それまで打線が中日先発の吉見にわずか3安打に抑えられていただけに、「さすが」と繰り返して主砲を称えた。

「なかなか打てる球が来なかったけど、最後にうまく反応できた」と、殊勲の一打を振り返った阿部に、チーム関係者が「改めて求心力が高まっています」とこう続ける。

「(坂本)勇人が名実ともにチームリーダーに成長する中で、慎之助はここ数年の不調もあって、正直、チーム内で煙たい存在になりつつあった。故障が増え、打撃に全盛期の迫力が失せてもなお体育会的な大ボス然として振る舞う慎之助から、距離を置く選手も実際にいた。しかし、『優勝するもしないも小林次第。自分の経験のすべてを教える』とオフの自主トレに正捕手候補の小林を同行し、マンツーマンで親身に指導。その小林がWBCで明らかな成長を見せたうえ、自身も本塁打と打点でリーグの2冠を走る活躍です。厳しい直言にも説得力が戻った」

 この日は、巨人先発の大竹が六回まで3安打無失点と吉見に負けず劣らずの好投を披露。にもかかわらず、七回2死から安打を打たれたところで交代を告げられた。すると、適時打後に代走を出されていた阿部は、ベンチへ戻ってきた大竹にすかさず寄り添い、背中をポンポンと叩きながらフォロー。耳元でしばらく囁いた阿部のアドバイスに、大竹は何度も大きくうなずいていた。

「ああいうところがほかの選手には真似のできないところ」(前出のチーム関係者)

 通算2000安打まであと64本。その時は、開幕前の予想よりはるかに早くやってきそうだ。

最終更新:4/17(月) 12:21

日刊ゲンダイDIGITAL

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