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『ソニックマニア』はマニアが作るマニアのための『ソニック』! ゲームに込められたこだわりの数々を飯塚隆プロデューサーに直撃

ファミ通.com 4/17(月) 18:32配信

文・取材:ライター 馬波レイ、撮影:カメラマン 和田貴光

●過去作のステージ+新作ステージが2Dのドット絵で表現
 セガを代表するアクションゲームである『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の最新作、『ソニックマニア』が今夏に配信される。本作は、メガドライブの時代に発売された、いわゆる“クラシックソニック”のシリーズ最新作と位置づけられるだけに、過去作のステージ+新作ステージが2Dのドット絵で表現されている。そんなマニアの内容がいかに生まれたのかを、『ソニック』シリーズを統括するセガゲームスのプロデューサー飯塚隆氏にたっぷりと語っていただいた。飯塚氏が「ソニックマニアが作るソニックマニアのためのタイトル」という意味を、じっくりと理解していただきたい。

※本稿は週刊ファミ通2017年4月27日号(4月13日発売)に掲載されたインタビューの完全版です。

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飯塚 隆氏
1970年埼玉県生まれ。1992年にセガに入社しメガドライブ版『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』にプランナーとして参加して以降、『ソニックアドベンチャー2』でディレクター、『ソニックカラーズ』ではプロデューサーと、ほぼ一貫して『ソニック』シリーズの開発に関わっている。2016年3月からは米ロサンゼルスを拠点に、ソニックシリーズの統括役として活躍中。


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■マニアによるマニアのための『ソニック』は、飯塚氏の一声で誕生した!
――まずは『ソニックマニア』の企画がスタートした時期と経緯をお聞かせください。

飯塚 私がアメリカに渡ったのが2016年3月なんですけど、それに先駆けてのアメリカ出張の際に、アメリカ側から「2Dの『ソニック』を移植したい」という話が持ち上がっていました。ですが、私としては「移植はもう散々やっているからいいだろう」という気持ちだったんです。1作目の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』だけで多数のプラットフォームに移植されていますから。でもアメリカ側はやりたい、私はやってもしょうがないで意見が平行線をたどっていたんです。

――話がこじれていたんですね。

飯塚 そのときに私のほうからふと「じゃあ、過去作のいくつかのステージと新しいステージをいくつか混ぜて、マニアが喜ぶ完全新作を作ったらどうだろう」と提案しところ、「それがいい。ぜひやろう!」と、ものすごく盛り上がって。そのときに、どんなゲームかを説明するのにホワイトボードに書いた言葉が、『ソニックマニア』だったんです。

――タイトルも最初から決まっていましたか!

飯塚 そうなんですよ。会議で発言した名前がそのままタイトル名になっちゃった(笑)。私にしてみれば、彼らにゲームのコンセプトを伝えるための名前のつもりだったんですけど、企画がスタートして以降は内部でもずっとその名前で呼ばれていて、正式名称を決める段階でも誰も異論を唱えることなく発表となりました。

――いい話です(笑)。ところで、“マニア”というのはどういった意図でつけられたのですか?

飯塚 マニアとは英語圏では“熱狂的”の意味で使われる言葉なんです。ですので、ゲームのコンセプトと合っているし、メガドライブ時代に発売された、いわゆる“クラシックソニック”を遊びたいというターゲット層を的確に捉えているしで、「もうこれしかない」みたいな流れでした。

――では、どんなゲームにするかの方向性も、最初期段階で提示できたのですね。

飯塚 そうです。今回のプロジェクトのメインプログラマーであるクリスチャン・ホワイトヘッドは、過去に『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』の移植を手掛けた人物なんですよ。

――ああ、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』が好きすぎて、勝手にスマートフォン用アプリに移植をしてしまった、あの!

飯塚 そうです。セガから発注をしたわけではなく、勝手に移植してセガに持ち込んできたんですよ(笑)。それくらいマニアな人物が、住んでいるオーストラリアからわざわざアメリカで行われた企画会議に参加していまして。そこで私が「『ソニックマニア』でどうだ」と話したところ、セガ側、そしてクリスチャン率いる開発スタッフもそれに賛成してくれて「移植よりそっちのほうがいい!」と決まったわけです。

――では、タイトルの位置づけとしては、さきほども言われたとおりにマニアが喜ぶという。

飯塚 セガとしてはソニックチーム制作の大作『ソニックフォース』の2017年内リリースを控える中で、その前段階として、休眠しているコアファンをもう一度『ソニック』に引き戻す施策がほしかった。そこから、2Dの『ソニック』をリバイバルできないかという話が立ち上がったんです。3Dの大作がありきで、その前段階にコアファンを発起させるネタというワケです。

――トレーラー映像の中で“リ・イマジン”という単語が使われていましたが、まさに再構築という捉えかたでいいわけですね。

飯塚 はい。2Dソニックとしてはこれまで、クラシックソニックや、『ソニックアドバンス』、『ソニックラッシュ』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ4』がありました。ですが、今回はあくまでオリジナルの『1』、『2』、『3』の延長にある新作を出す。メガドライブのソニックが好きだったお客さんにピンポイントで楽しんでもらうソフトを作ることが目的なんです。ふだん『ソニック』というタイトルは、広くいろんな方々に楽しんでもらえるように心掛けていますが、『ソニックマニア』はそういうのは一切ナシで、クラシックソニックが好きだった人たち“だけ”にウケれば成功! 限られたターゲット層に絞りました。

――たしかにファンのあいだからは「懐かしい雰囲気!」という声が多く聞こえてきています。

飯塚 過去作からステージをピックアップはしているのですが、さらに“そのステージを知っているからこそ、この展開がおもしろい”、というゲーム作りをしたかったんです。たとえば『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の最初のステージ、グリーンヒルなんか、何百回も遊んでるじゃないですか(笑)。そういう人が「うわっ、こんなことになっちゃうの!?」というサプライズをどんどん仕掛けていこうと。グリーンヒルのACT2にボスが登場するんですけど、それが何と……(こっそり耳打ち)。

――えっ、最初のボス戦でソレがでてくるんですか!?

飯塚 ふふふ(笑)。ほかにも、『ソニック&ナックルズ』からはフライングバッテリーをもってきているんですけど、原作のままではなくて戦艦の外側を走り回ったり、壊れたエッグマンのロボットたちが捨てられたスクラップ部屋があったり、、新しい仕掛けが入ってるんです。そういう過去作を知っているほどに驚く仕掛けを、ひと言で“リ・イマジン”と表現しました。

――はー、確かにそれは驚きます。なんでしょう、“ぼくが考えた最強のソニック”とでもいうのでしょうか。

飯塚 というよりは、ファンが作ったファンが楽しめる作品ですね。ノリ的には、コミケの同人コミックみたいな感じです。ファンみずからがパロディ化して、マニアの人たちに喜んでもらえる。「グリーンヒルに地底湖が広がっていたら驚かない?」みたいなノリ。

――原作を踏まえたうえで、ちょっとした悪ノリも込みでアッと言わせようと。

飯塚 そんな感じです。一方で、完全にブランニューな新規制作のステージもあります。ボスはすべて完全新規ですね。

■“メガドライブ以上サターン未満”の懐かしくも新しい”こだわりの数々はどのように積み上げられていったのか
――ここからは制作手法について伺います。具体的にはどのように制作が進んでいったのでしょうか。

飯塚 開発チームとSOA(セガ・オブ・アメリカ)プロデューサー、それと私とのあいだで、やり取りをしながら仕上げていっています。最初に開発チームからのコンセプトをテキストベースで出してもらい、それを私が添削。それを土台に彼らがレベルデザインを行い、そこに私が「ここにはリングを置いて、ここの地形は変えよう」といった具合に、さらに添削する形で進めています。

――やり取りする中での齟齬とかは?

飯塚 なかったですね。何しろ開発者全員が『ソニック』に関してのマニア中のマニアなので、すごくいいツボを押さえてくるんです。2Dソニックのマップを作るのはけっこうスキルがいるんですけど、旧作を遊び尽くしているので、いいマップを上げてくるのには驚きました。

――そこに飯塚さんが蓄積してきた“『ソニック』のおもしろさ”のノウハウが注ぎ込まれている、と。

飯塚 そうなります(照れ笑い)。セガの中でもメガドライブの『ソニック』を作った企画職って、私しか残っていないので、まさに自分にうってつけのプロジェクトだったと思います。

――2Dのグラフィックは、どのように制作しているのですか?

飯塚 基本は昔と同じドット絵です。ソニックたちの動きはキャラパターンを描いて表現していますし、背景もいわゆるBG(バックグラウンド)面のルールに則って描いています。それを超えてしまうと、コンセプトとずれてしまう。いまの技術があれば、ドット絵を描くよりもポリゴンで作って動かしたほうが、よっぽどラクなんですけど。くり返しになりますが、『ソニックマニア』のコンセプトは当時の『ソニック』の続編を作ることですから、ポリゴンとか当時にない技術を多用してしまうと、どんどん違う作品になってしまう。表現として使いたいごく一部分にだけポリゴン描画を使っていますが、基本はあえてドット絵でやるようにしています。

――解像度もドットの四角がわかるくらいのものですよね。

飯塚 そうですね。色数なんかも当時は制限がある中で作っていましたので、多ければ多いほどよかったですけど、今回はあえて制限を設けています。いまのゲームで色数制限なんて意味がないのですが……。背景も同様に多重スクロールなのですが、いまの時代にAスクロール、Bスクロール……ってのは意味がないんですけど、そこもあえて制限をかけて遠近感を表現しています。

――ではメガドライブのスペックに準じた作りを?

飯塚 一応“サターンくらいの”という基準は設けていて、メガドライブそのままの16色4パレットよりは若干多くしてあります。とはいえ、さすがに全部が往年のテイストの再現だと寂しいので、キャラパターンだけはオリジナルよりもあいだを補完して、滑らかになっています。ちなみに、グラフィックの監修は『ソニックCD』から関わっているデザイナーの星野一幸が行っています。

――プレイヤーキャラクターとしてはソニック、テイルス、ナックルズの3人が使えるとのことですが。

飯塚 各キャラクターのアクションは『ソニック3』相当で進めています。ソニックの後ろからテイルスがついてきますが、もうひとつコントローラーを用意すればふたり同時プレイでテイルスを操作することができます。尻尾で飛行するテイルスにソニックが掴まっていっしょに飛ぶことも可能です。

――あくまで2Dの『ソニック』の遊び応え、と。

飯塚 アクションの挙動は『ソニック3』そのままですね。ゲームシステムも『ソニック3』を踏襲していて、ソニックで遊んだときのステージとナックルズで遊んだときのスタート地点が違ったりするんですね。同じステージなんですけど、ナックルズを選ぶと壁登りが必要な場所からスタートしたりするとか。『ソニック3』相当という点ではバリアの仕様も同じです。フレイム、アクア、サンダーの3種類があって、フレイムは火の攻撃、サンダーは雷を無効にし、アクアは水中でも息が続くと、それぞれに特定のギミックを無効にする効果があります。また、バリアの種類ごとに固有のアクションが使えます。

(インタビュー中にセガ広報氏が新ステージ・ミラージュサルーンをプレイ中)

――ちょうどいま、巨大なピストルにソニックが入り込んで射出されるシーンが見られましたが、たしかにこのサイズはスプライトでは描けないですね。その反面、ギミック的には「ああ、ソニックっぽいな」と思わされます。

飯塚 メガドライブでは表現できないような大きなオブジェクトも登場しますしね。そこもメガドライブ以上、サターン未満が基準ですね。

――あっ! 背景にエスピオやファングのポスターがある(笑)。

飯塚 ほかにもバークとビーンがいます。彼らはクラシックソニックには出てこないのですが、気がついたら入っていました(笑)。作っている連中が『ソニック』好き過ぎるので、スキあらばこういう遊びをどんどん入れているんです。スタジオポリスでは、背景のビルの屋上にある看板がクラブセガっぽいデザインだったり(笑)。

――バランス調節はどうされているのですか? ターゲットがマニア向けと聞くと、難しそうな……?

飯塚 マニアをターゲットにしていますけど、プロフェッショナルなゲーマーが対象という意味ではないんです。“昔の『ソニック』を好きだった人、全員が楽しんでもらえる”ことが目標なので、ゲームのテクニックがないと楽しめないということはありません。むしろ、難しさは狙っていません。全部のステージを楽しんでほしいですね。ですから、難度設定も用意しないつもりです。

――なるほど、おじさんゲーマー的には安心しました。では逆に突き詰めたいゲーマーに対しては、タイムアタックを楽しんでほしいと。

飯塚 そうですね。新アクションの“ドロップダッシュ”を用意したのもそのためです。クラシックシリーズだとスピンダッシュをするためには一度立ち止まる必要がありましたが、もっと瞬間的に出せる技が必要だろうということで追加しました。タイムアタックにはリーダーボードを用意するので、ネットランキングで競ってもらえます。

――探索的な要素も?

飯塚 後期『ソニック』らしく、テイルスの飛行やナックルズの壁登りでしか行けないルートも『ソニック3』と同等くらいにありますので、マップは広大ですね。ただ、イジワルなルート作りはしないようには心掛けています。チーム内からも「もうちょっと難しくていいんじゃないか?」という声が聞かれるくらいには、難易度は低めの設定です。

――ほかの『ソニック』作品との関連性は?

飯塚 あくまでクラシックシリーズの続編ということなので、『ソニック1』~『3』、『ナックルズ』があったうえでの世界観です。クラシックシリーズというとDr.エッグマンがラスボスとして登場するのがお約束ですが、今回はエッグマンが作り出した“ハード ボイルド ヘビーズ”という新キャラクターが何体かいて、ステージの途中途中でソニックたちの邪魔をしにやってきます。

――ハード ボイルド ヘビーズはどんな存在なのでしょう。

飯塚 『ソニック&ナックルズ』のエッグマンロボをベースとしたロボット軍団で、一体ごとに違った個性があります。エッグマンの部下たちという扱いです……が、それが部下のまま終わるかどうかは……乞うご期待(ニヤリ)。

――もっと聞きたいですが、そこはゲームを遊んでのお楽しみと。では、ストーリー展開も楽しめそうですね。

飯塚 過去ステージを使いながらも一本全部がまとまったストーリー構成になっています。ストーリーとはいってもあくまで『ソニック3』レベルで、セリフのテキストのないキャラクターどうしの人形劇レベルのものなんですけど、それでスタートからエンディングまでの物語が表現できる内容になっています。

――サウンドについてお聞かせください。

飯塚 オリジナルのステージに関しては、元の楽曲とそのアレンジ版を使っています。新規ステージについては新曲ですね。同じスペックで作っていますので、クラシックテイストが削がれないような曲作りをしています。

――開発は順調ですか?

飯塚 順調です…と言いたいところなのですが、残念ながら発売を2017年春から2017年夏に延期させていただくことになりました。というのも、開発スタッフのこだわりが強すぎるので、当初の開発スケジュールより遅れているんです。彼らもマニアなので、すごくこだわるんですよ。ふつうのスケジュールの立てかただと、「締め切りがこの日だから、ひとつのステージに掛けられる時間はこのくらいだな」と逆算するんですが、やりたいことが多すぎて当初の計画から制作物が膨らんでしまいました。

――ユーザー的には喜んでいいのか微妙なところです(笑)。

飯塚 スタッフを追加したりと、遅らせないような手は尽くしていますが、なにせこだわりの人たちなので。楽しみに待っていただいているファンの方には申し訳ありませんが、発売までもうしばらくお待ち下さい。

――開発スタッフは何名くらいなのですか?

飯塚 コアスタッフはすごく少なくて、元はプログラマーが2名、グラフィックデザイナーが3名ほどでスタートしています。ただ、あまりにも制作に時間がかかるので、現在は人を増やして対応しています。

――それでも今時のゲームとしては相当少ないですよね。

飯塚 そうですね。でももともとインディーズゲーム的なところからプロジェクトがスタートしたので、価格もふつうのパッケージタイトルよりもお安いダウンロード専売タイトルとして企画しています。お気軽にご購入いただけるタイトルになると思っています。ぜひ遊んでいただければと。

――プラットフォームはどうなるのですか?

飯塚 プレイステーション4、Xbox Oneに加えて、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)でもリリースします。Switch版は取り外し式のコントローラーがふたつありますから、片方を「はいっ」と渡せば、いつでもどこでもふたりで遊べるようになっています。

――それと、なんでも限定版が用意されているとか。

飯塚 すでに欧米では予約受付が終わっているのですが、実物大メガドライブ型の土台上に、クラシックソニックが立っているスタチューが同梱されているんです。しかもメガドライブの電源スイッチを入れると「♪セーガー」のサウンドロゴが流れて、カートリッジを引き出すと、中にゴールドリングが入っている(笑)。

――それはかなり欲しいです(笑)。ちなみに日本での発売は?

飯塚 現状では未定なのですが、日本のファンの方にもお届けできるよう考えているところです。

■2017年は『ソニック』の30周年に向けてのさらなる第一歩
――近年は、いろいろな『ソニック』コンテンツの登場が予定されています。ゲーム以外で気になるのは実写映画です。

飯塚 実写映画の製作はソニー・ピクチャーズさんとマーザ・アニメーションプラネットさんが行っています。セガとしてはストーリーの監修はしていますが、あくまでもライセンスアウトをしている立場です。ですので、内容については私の口からはあまり多くを言えないのですが、ティム・ミラーさん(代表作:『デッドプール』)が製作総指揮を、その右腕的なジェフ・フォーラーさんが監督を務めてくれます。じつは、彼らのスタジオであるブラー・スタジオって、『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』のCGムービーを手掛けた会社なんですよ。ちょうど私がアメリカにいるころに「いいCG会社ないかな」とリサーチしているときに出会っていて。

――その縁があっての制作担当なのですね?

飯塚 いえ、じつはまったく関係ないんですよ。当時から『ソニック』が好きだといってくれていたので、今回ブラー・スタジオが制作を受け持ってくれて安堵しています。

――原作をすでに知っているなら、突拍子もないものができあがってくることはないでしょうね。しかし不思議な縁です。

飯塚 そうですね。それと、マーザのアメリカ支部もセガ・オブ・アメリカと同じビルの同じフロアにあるんです。ソニー・ピクチャーズとブラー・スタジオもロサンゼルスにあるのでミーティングなどもしやすく、すごく近い距離感で仕事ができています。

――それはますます期待が持てるお話です。

飯塚 『ソニック』の実写映画化って、いままで何度もオファーはあったのですが、それがついに実現しそうなので、すごく楽しみですね。

――映像作品では、北米などで先行して放送中の『ソニックトゥーン』の国内配信も決定しました。

飯塚 やっとですね。以前から何らかの形で日本のファンの方にもお届けしたいと動いていたのですが、ようやくそれが実現できてホッとしています。ゲームと同じキャストで吹き替えをしてくださっているので、そこも楽しんでいただけると思います。

――しかし飯塚さんはアメリカに渡られて1年が経過したわけですが、非常に充実していそうですね。

飯塚 ありがたいことに、もう大忙しです。じつは行く前は「やることないんじゃないかなあ」とか思っていたんですが、とんでもない間違いでした(笑)。ゲーム制作は当然として、ライセンス商品の監修やPR、マーケティングを私たちのチームでやっているので、毎日さまざまな案件が降り注いでくるんです。メディアだけでも映画、コミック、アニメがありますからね。モバイルのタイトルはセガネットワークスのアメリカが主管なのですが、それらのコンテンツも確認しないといけませんので。

――そういえば、レゴフィギュアをゲーム中に登場させられるゲーム『Lego Dimensions』(海外発売のみ)にもソニックが登場していますよね。

飯塚 扱い的にはキャラクターの権利のライセンスアウトなのですが、中身はゲームなので、我々がちゃんとチェックしています。制作中はたいへんでしたけど、ユーザーさんから高い評価を受けているとのことなので、やってよかったなと思います。といった具合に、ソニックと名のつくものは全部我々でチェックしています。スケジュール管理や協力会社とのやり取りは現地のスタッフがいますが、クオリティーに関しては私と星野が見ています。

――忙しくないはずがないですね(笑)。

飯塚 逆に言うと、これまではクオリティー・コントロールができていなかったといことですからね。そのために、正直我々としては不本意だったモノも生み出されてしまった。現在は私の目と手の届く範囲でプロジェクトが動かせるので、今回の体制はいいかなと思っています。

――一時期の『ソニック』はやや迷走気味でしたが、現在はいい方向に向いているということですね。

飯塚 ロサンゼルスに集まったいまのチームは、以前サンフランシスコに拠点があったときとはまったく別のメンバーなんです。ですので、メディアに強かったりライセンスに強かったりと、まさにハリウッドとのいろいろなコネクションを持った新チームなので、私もすごくやりがいがあります。

――では最後にまとめに変えて、今後の『ソニック』についてのビションをおきかせいただけますでしょうか。

飯塚 2016年は『ソニック』25周年イヤーでしたが、それに続く2017年は『ソニックマニア』と『ソニックフォース』が発売されますし、アニメ『ソニックトゥーン』もようやく日本語で配信できることになりました。それらすべてが、これからの30周年に向けての大切な一歩だと思っています。いまの私がいる新たなチームも誕生して、その成果がこれから出て来る年だと思います。ファンの方々の期待を裏切らない『ソニック』の新たな展開を見せられると思いますので、ぜひご期待ください。

※明日(4月18日)は飯塚隆氏による『ソニックフォース』のインタビューをお届け!

最終更新:4/18(火) 18:51

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