ここから本文です

【競泳日本選手権】女子初5冠!池江 東京五輪メダル量産への課題

東スポWeb 4/17(月) 16:45配信

 競泳の日本選手権最終日(16日、愛知・名古屋市ガイシプラザ)、シンデレラガール・池江璃花子(16=ルネサンス亀戸)が女子史上初の5冠を達成した。世界選手権(7月、ハンガリー・ブダペスト)代表権も全種目で獲得する八面六臂の活躍を見せたが、その一方で期待された日本記録の更新は一つもなかった。3年後の東京五輪に向け、5冠の裏に見えた「明」と「暗」。シンデレラガールの“今”を検証する。

 最終種目の100メートルバタフライを57秒39で2連覇。その40分前には50メートル自由形をノーブレスのまま24秒57で制しており、池江は「こんなにタフなレースをこなせて5冠を獲得することができていい経験になった」と喜びに浸った。

 100メートル、200メートル自由形、50メートルバタフライに続いてこの日の2種目で快挙達成となったが、これまで5冠は男子の萩野公介(22=ブリヂストン)のみ。名実ともに水泳史に名を刻む選手になった。世界選手権に向けては「1バタ(100メートルバタフライ)でメダルを取りたい」と控えめだったが、複数種目で表彰台に上がるチャンスがある。もちろん、東京五輪での活躍も期待ばかりが膨らむ結果となった。

 ただ、気になることもある。本人も悔やんだように、日本記録を一つも更新できなかった。今大会は出場全ての種目で池江が日本記録を保持。特に記録の更新を狙って泳いだ3日目の100メートル自由形でもかなわなかった。池江は自己ベストが出なかった理由を「(昨年)夏の五輪より最後の粘る力が落ちている」と説明したが、日本水泳連盟の青木剛会長(70)は池江自身の進化が原因との見方だ。

「一つは、結構(池江の)記録レベルが高くなっている。自由形を見ている限りは、前より力強くなった印象がある。そんなに無理やり前半からいっているという感じがしないのに、スピードがついてきた。その代わり、続くのが大変だけどね」

 どの種目でも成長して自己ベストに近いタイムで泳げるようになった分、体にかかる負担も増えた。今回は特に連戦だったことも記録に影響したという。

 これは体力さえ追いつけば解決するだけに、3年後に向けては明るい材料と言える。

 一方で、懸念材料もある。青木会長は池江が記録を更新できなかったもう一つの理由を「若いのがまだ顔を見せてない」と指摘した。実際、池江が制した5種目では2位の選手がいずれも派遣標準記録をクリアできず、世界選手権の代表権を獲得できなかった。国内では池江を脅かす2番手が不在という状況に陥っているのだ。

 池江自身、自由形は内田美希氏(22)、バタフライは星奈津美氏(26=ともに引退)らのトップスイマーと競り合い、急成長した背景がある。個人メドレーで争う萩野と瀬戸大也(22=ANA)のようなライバル関係は、記録を高めるための最高の材料になり得る。

「ここのところ何回かの五輪は、前回も出た経験者は3分の1で、残りの3分の2は新しい選手。そうじゃないと、限界に来ている選手はなかなか今のレベルを超えられない」(青木会長)

 池江が3年後にメダルを量産するためには、代表の“新陳代謝”も不可欠というわけ。まだまだ伸びるのか、このまま成熟期に入るのか、若きエースはターニングポイントに立たされている。

最終更新:4/17(月) 16:45

東スポWeb