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遠州灘の保全、自分たちで 浜松南高生物部が環境調査着手

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 4/17(月) 17:19配信

 静岡県や浜松市の防潮堤整備が進む遠州灘の貴重な自然環境を後世に残そうと、県立浜松南高(浜松市南区)の生物部が現地調査に乗り出した。生徒らは研究成果を地域への啓発や保全活動につなげ「地域の自然は自分たちの手で守る」と意気込む。県浜松土木事務所などからは「自然を守る後継者として大きな力になってほしい」と期待の声が上がる。

 遠州灘は天竜川河口の水域や中田島砂丘、湿地などが点在し、オオタカやアカウミガメなど数多くの貴重種が生息する。生徒が研究するのは、絶滅危惧種の昆虫「ハンミョウ」の成長過程や在来植物の発芽、アオウミガメの餌などさまざま。県の環境調査結果を基に新たな視点で研究を進め、外来種の駆除や貴重種の保全に向けて有効な手だてを考える。

 県は防潮堤整備に向けて2013年、有識者による自然環境検討委員会を設置。専門家の助言を受けて、繁殖期を避けた工事の実施や海兵植生の復元など対策を図りながら工事を進めている。

 一方で、防潮堤整備後は県が実施する環境対策の効果検証と環境維持を担う人材の確保が課題だった。県は教育の一環にもなればと若い世代に協力を求め、遠州灘に比較的近い同校が引き受けた。

 生徒の調査で中田島砂丘だけに確認されていたハンミョウの巣穴が遠州灘の別地点でも見つかるなど、新たな発見も。研究結果は検討委の会議や学校祭などで報告し、有効とされる対策は県などと連携して実施する。

 部員は20人。生物部3年の神谷耕太郎部長(17)は「貴重な経験ができて勉強になる。自分たちの活動をきっかけに、地域で環境を守ろうとする輪を広げたい」と話す。保全活動は地域の小中学校への出前講座や、地域住民との保全対策作業など研究成果に応じて検討する。



 <メモ>遠州灘の天竜川河口と周辺湿地は、絶滅危惧種を保護するなどの目的で県が重要生息生育地として位置付けた県内の「今守りたい大切な自然」10カ所の一つ。鳥類の多様性が高く、干潟に特有の魚種が生息している。池や湿地にはトンボ類や水生昆虫、水湿生植物の貴重種が分布している。

静岡新聞社

最終更新:4/17(月) 17:19

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS