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千葉9歳女児遺棄 「仮面」壊した強い衝動

産経新聞 4/17(月) 7:55配信

 これまでも繰り返し発生してきた、子供が被害者となる事件。犯行の背景には犯人の孤独な環境や閉塞(へいそく)感などが浮かぶことが多いが、今回の事件で逮捕された渋谷恭正容疑者には子供もおり、地域の見守り活動に積極的に参加していた。犯行に向かう動機は少ないようにも見えるが、専門家は「教育熱心」「社交的」という仮面を打ち壊すほどの犯行への強い衝動があったとみている。

 ◆過去の事件では

 「できれば早いこと死刑判決を受けて、この世とおさらばしたい。仕事は怒られっぱなしだし、特定の女性もいない」。平成16年11月に奈良市で下校中の小1女児を誘拐し殺害したとして逮捕された男は取り調べにこう供述し、孤独感をにじませた。普段から周囲と交流することがあまりなく、路上で見かけた面識のない被害女児に対して、「好みのタイプ」との理由で犯行に及んだという。

 17年11月には、広島市でも下校中の小1女児が殺害される事件が発生。逮捕されたペルー国籍の男は仕事に就いても長続きせず、国内に住む親族のもとを転々。日本語を十分に話すことができず、地域になじめていなかった。

 神戸市で26年9月に小1女児が殺害された事件で逮捕された男も仕事が長続きせず、周辺住民との間でトラブルをたびたび起こしていた。

 ◆熱心な発言多く

 過去の事件で浮かぶ「孤独」や「閉塞感」というキーワード。「周囲との関係が希薄で、仕事や家族など失うものがない人物が犯行に及ぶ傾向があった」と、新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は指摘する。

 だが、渋谷容疑者は地域の活動に積極的に参加。自身は2児の父で、同居する女性もいた。また、保護者会会長として通学路の同じ場所で見守り活動に参加していた。「『子供たちが真っすぐ育つように』などと、熱心な発言が多い人だった」(近隣住民)

 碓井教授は「社会的に立派であることと犯罪に手を染めることは別だが、通常は社会的立場を崩さないようにするはずだ。今回の事件では一線を越える何らかの強いきっかけがあったのかもしれない」と話す。

 東京工業大の影山任佐名誉教授(犯罪精神病理学)は「(渋谷容疑者は)長い間仮面をかぶり、自分は周囲に疑われない立場にいると考えていたのではないか」と分析。「小学校の保護者会会長としての姿を周囲に見せて、称賛されたいという名声欲もあったかもしれない。ただ、『教育熱心』という仮面を壊すほどの犯行への強い衝動があったことはうかがえる」と話している。

最終更新:4/17(月) 10:53

産経新聞