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八田與一像 頭部切断される 台湾 ダム建設 日台絆の象徴

産経新聞 4/17(月) 7:55配信

 【台北=田中靖人】台湾南部・台南市の烏山頭ダムで16日早朝、日本統治時代に同ダムの建設を指導した日本人技師、八田與一(よいち)の銅像の頭部が切られているのをダム関係者が発見、警察に通報した。八田の功績は台湾の民主化以降、日台の絆の象徴とされ、ダムには日本人観光客も訪れる。

 地元警察によると、頭部は持ち去られたもよう。台南市の頼清徳市長は、迅速な捜査と像の修復を指示した。同所では毎年5月8日の命日に慰霊祭が開かれる。像は早ければ1週間で修復できるといい、今年の慰霊祭に間に合う見通し。

 八田は1920(大正9)年から10年かけて同ダムを完成させ、嘉南平原を台湾最大の穀倉地帯に変えた。

 像は八田の地元、金沢市の彫刻家の製作で31(昭和6)年に台湾に到着した。八田は42(同17)年に乗船中の輸送船が米軍に撃沈されて死亡。像は終戦直後、妻が身を投げたダムのほとりに置かれている。戦後の中国国民党の統治下で、地元の人々が破壊を恐れて像を隠して守ったとの逸話も残る。

 八田の功績は李登輝総統時代に再評価が始まり、2007年には陳水扁総統(当時)が褒章を授与、馬英九氏も08年の総統就任直前、慰霊祭に出席した。

最終更新:4/17(月) 18:20

産経新聞