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訴訟合戦、相反する判断=漁業と農業、対立泥沼化―国は最高裁に期待・諫早干拓

時事通信 4/17(月) 18:53配信

 諫早湾の潮受け堤防排水門をめぐっては、最初に漁業者が国に開門を求める訴訟を起こし、営農者も阻止のため裁判を始めた。

 地裁・高裁レベルでそれぞれ、開門と開門禁止の相反する司法判断が示され、両者の対立は泥沼化している。

 2008年6月の佐賀地裁判決は、干拓で漁業環境が悪化したとする漁業者の訴えを認めて開門を命令。10年12月の福岡高裁判決も地裁判断を支持し、3年間の猶予期間を付けた上で開門を命じた。菅直人首相(当時)が上告断念を表明して確定したため、最高裁の判断は示されなかった。

 解決が近づいたかに見えたが、長崎地裁が11年6月、同種訴訟の判決で漁業者の開門請求を棄却。13年11月には同地裁が、開門すれば農地に被害が出るとした営農者の訴えを認め、差し止めの仮処分を決定した。国は開門と開門禁止の二つの義務を負ったとして開門を見送った。

 国は「最高裁の統一的な判断が必要」との姿勢だ。確定判決を出した福岡高裁では15年9月、別の裁判長らが11年の長崎地裁判決を支持し、開門を認めなかった。漁業者側が上告しており、初めて最高裁で開門の可否について判断が示される可能性がある。

 開門義務を履行しない国に対し、漁業者は制裁金を支払わせる「間接強制」を申し立て、最高裁で確定。農林水産省によると、今月10日までに約7億9000万円が支払われた。一方、営農者も間接強制の申し立てをしており、国は開門しても制裁金を払うことが確定している。 

最終更新:4/17(月) 18:59

時事通信