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<校舎閉鎖>耐震補強も強度不足で 大阪・泉大津市教委

毎日新聞 4/17(月) 22:25配信

 大阪府泉大津市教育委員会が耐震補強した市立上條小学校の一部の校舎(3号館、3階建て)が、府に強度不足を指摘され、昨年10月から閉鎖されていることが17日、市教委への取材で分かった。市教委は設計業者から「コンクリート強度が弱くて耐震工事は困難」と指摘されたのに、別の業者に頼んで工事を済ませ、6年間校舎を使っていた。

 3号館で行っていた理科の実験や家庭科の実習は、閉鎖に伴って新設するプレハブ校舎が完成する8月末まで実施できないという。

 市教委によると、3号館は1963年に一部が建設された後、増築された。2009年に耐震補強の前提となる建物のコンクリート強度を調べたところ、国の基準を大幅に下回ったため、委託された設計業者は業務を辞退した。だが、市教委は別の業者に設計を依頼して10年11月、約3300万円かけて耐震補強工事を終えた。この業者は工事前に「コンクリートの強度不足を前提とする」との覚書を市教委と結んでいた。

 市教委は15年末に改正耐震改修促進法に基づき、府に経緯を報告。府は16年3月に「コンクリート強度が基準に達せず、補強したと判断できない」と指摘した。市教委は保護者に説明し、昨年10月に3号館を閉鎖した。

 市教委が設置した第三者委員会は先月に出した報告書で、「10年度末までに市内の全小学校の耐震補強を終える予算を組んでいたため、耐震補強以外の手法を検討しなかった」と指摘。「予算消化と耐震化の早期実施を最優先した」と市教委の姿勢を問題視した。

 市教委教育総務課の木村浩之課長は「工事で耐震性が向上し、児童の安全は確保されていたと考えていたが、甘かった。再発防止策を講じたい」と話した。【山下貴史】

最終更新:4/17(月) 23:48

毎日新聞