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<中国6.9%成長>内需回復、高まる投機熱 1~3月

毎日新聞 4/17(月) 22:57配信

 中国国家統計局が17日発表した今年1~3月の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比6.9%増となり、2四半期連続で成長率が拡大した。政府の大規模な景気刺激策が奏功し、内需が回復に向かうなど中国経済は明るさを取り戻しつつあるが、不動産投資の急伸など投機マネー拡大によるリスクもはらんでいる。

 「市場の需給は改善し、企業の景況感も高まっている」。国家統計局の毛盛勇報道官は17日、中国経済の現状を語った。昨年の中国経済は民間投資が低迷し、政府が大規模なインフラ投資や金融緩和で景気を支え続けた。

 今年1~3月は民間の投資や製造意欲の高まりが確認され、個人消費も堅調に推移した。政府の景気刺激策がようやく民間部門に波及してきた形だ。

 しかし、金融緩和でばらまかれた大量のお金は短期的な利益が見込める不動産市場に流入し、バブルの懸念が高まっている。不動産業界トップの「中国恒大集団」(広州市)の1~3月の住宅販売額は、既に1000億元(約1.6兆円)を超えている。当局は段階的に投資抑制策を導入しているが、中国全体の1~3月の不動産開発投資は前年同期比9.1%増(16年実績は6.9%増)に拡大した。

 北京に隣接する河北省では、中国共産党と政府が大規模な新都市「雄安新区」を建設する計画が今月1日に明らかになると、周辺の不動産価格は1日で5倍に急伸した。3月に開かれた全国人民代表大会(全人代=国会)で李克強首相は「蓄積するリスクに厳重に警戒する必要がある」と述べ、過熱する投機マネーの対策に本腰を入れる姿勢を示した。

 中国中央テレビは17日、重大な規律違反で取り調べを受けていた保険監督当局トップの項俊波主席(閣僚級)の免職が決まったと報じた。保険業界は、金融商品の販売を通じて集めた資金を投機に回してきた。項氏の「失脚」は過度な投機熱に警鐘を鳴らす政府の本気度を示す狙いがあるとみられる。

 しかし金融の締め付けが強すぎれば、民間投資が縮小して経済の下押し要因になりかねない。政府がアクセル(景気刺激)とブレーキ(規制)を同時に踏みつつ安定成長に導くことができるのか--。5年に1度の党大会を今秋に控え、経済の失速が許されない習近平指導部は、難しい経済運営を強いられている。【北京・赤間清広】

最終更新:4/17(月) 23:32

毎日新聞